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みんな、ありがとう 普段着お遍路歩きの記
  

                     2004年冬編 
 第8回

 今回はかなり愚痴っぽい内容です。
 だから、どうしてというわけでもないのですが、
 一応、先に書いておきます。




札所の間が近いとやはり快適である。

四国霊場48番札所 八坂寺 12月30日 午前8時14分着


風も吹かず、雪も降らず、すこしだけ肌寒いけど、優しい空気が私を包んでいる。
昨日の恐怖感が今は幻となっていた。そのコントラストもまた不思議であった。


途中、別格霊場9番の文殊院があった。「サンダル遍路旅日記」でも紹介されていたので、納経をする。
                  
私はこれまで、別格や番外の霊場は全てスルーしてきた。理由は自分でもわからない。

2005年冬に都城を訪れたとき、清水住職がこういっていた。
「別格霊場は、人里をはなれて20キロも歩いたところにぽつんとあったりするからね。さすがに私も道中淋しかった。」
これを聞いて、別格を通り過ぎてよかったと思った。淋しがりの私が耐えられるはずが無いからだ。

ところがだ、この文を書いているうちにまた遍路をしたくなってきた。それも別格を含めた108寺だ。どうすべきだろう。

 
                 コラム

  結願をしたとき、正直遍路はこれで終わりだと確信した。

  同じところに2回以上行くのは実はあまり好きではない。

  しかし、別格にいっていないことに改めて気付いた。

  
108ヶ所全てを歩いて回る

  ・・・・・・なんとなく魅力を感じている。

 
  108箇所を回った方、やはりそんなに辛いものだったのだろうか。

  教えていただけると幸いです。



空にはまだ厚い雲が覆いかぶさっているが、雨の心配はなさそうだ。



48番札所西林寺 30日10:05到着






どんどん町中に入っていく。

違和感があった。自分に対して、周りに対して。気がつけば松山市に入っていた。
時期が時期だし、こんな遍路の格好をしている人など誰もいない。


素直に認めよう、私一人が浮いていることを。

昨日心から震えた山道では感じなかったことを、都心のここでは感じてしまっていた。
そのコントラストが実に奇妙だった。



四国霊場49番札所 浄土寺 12:01到着

車が増えてきた。必然的に人も増える、いよいよ松山市が近づいてきた。


そのくせ小高い丘の上にある50番繁多寺には誰もいなかった。
すぐ前の貯水池からどうどうと水の音が響いてくる。
余計に寂しさを感じた。

左右にお墓が広がる。眼下に広がる街並みは言うまでもなく県庁所在地である。




            

知らん。






完全に都市部に入った。年末だというのに、制服を来た女子高生も多い。
そんな私もあなたも大好きな女子高生も、遍路に見向きもしない。それどころか白い服を着た人間へ奇異の目を向ける者もいた。






     

知りません。




人ごみの中で孤独を感じながら、ようやく51番へつく。
どんなに孤独であっても霊場へつくとほっとする。
人のいないお寺なら、心静かにお参りができる。
人が多くても同じ巡礼者として、それなりに共感できるからだ。



そうしてついた51番石手寺。

予想通り、人が多かった。
お遍路さんはひとりもいなかった。
美しい五重塔の周りには、観光客と地元の家族連れが遍路以外の立場で多数存在なさっていた。

  
四国霊場51番札所 石手寺 12月30日 14:36着


それでも、こんな千羽鶴を見ると地元の方の心を感じ癒される。

「平和とは人の痛みが分かること」。胸に刺さる言葉だ。

ふと見ると洞窟がある。正確に言うと、石でできた洞穴も巡礼の場所となっているのだ。


無論行く。


夏の遍路のときは一日のスケジュールを40キロに想定していた。
そうなると、こんな寄り道はできないのだ。
今回は25キロにおさえてある。その分、いろんなところへいけるのだ。

この1日25キロ以内で歩く、という法則は結願まで貫かれる、私の歩き旅の原則となった。



さっきの千羽鶴や洞窟のおかげで、少し心が上向いてきた。
最後に本堂でお経を唱える。

で、私が唱えていると大学生ぐらいのグループが回りに集まってきた。
4人とも奇異の目で私を見てくる。
「ご苦労さんです。」去り際にそう声をかけてくれたが、そのあとの言葉も聴こえてしまった。
「若いのに、変わってるな、あの人。」


この冬の遍路、はっきり言って楽しくない。










だから知らないって。俺に付きまとうな。



最後の頼みの綱はユースである。
うん、旅人の集う場所。話し相手もいっぱいできるだろう。


遍路宿のコーナーでも紹介したが、ここは私のベストオブユースである。

到着したときは誰もいなかった。でも今日は50人ぐらい泊るらしい。
その中には友達になれそうな人もいるだろう。


それまで館内を探検する。特にこの談話室が気に入った。

正面にすえられた巻ストーブ、いいなあ。

それにこの食事もいいなあ。すごい豪華じゃん。


この食事を一人で済ませ、この地の名物道後温泉に一人で出かけた。


そんなタイミングの悪いときもあるだろう。
この日の宿泊者は、挨拶も返さず、話しかけてもすっげえ嫌そうにするんやもん。あるいはグループでかたまってるしさ。

まてよ?俺の人相が知らない間に悪くなってるんやろうか?
一人で歩いてお遍路さんへの心遣いとして、割り当ててくださった一人部屋で早くも就寝。

明日もユースに泊ります。それに期待。



    今日の結論

   人のいない場所での孤独も辛いけど、

   人がたくさんいる場での孤独もまた辛い。 



               


四国八十八ヶ所お遍路セット(スターターセット)
                          

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