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天空の街へ ペルーひとり旅 



     第11回   マチュピチュ村からバスで山頂へ  


この旅では不思議と凹みそうなときに日本語が聞こえてきて、また旅を続ける気になっていた。
大行列で一気に落ちたテンションにもてあそばれる俺に、日本語が聞こえてきた。
「おはよーございます!」


Mさんがいた。昨日の朝4時にリマでお別れしたMさんがそこにいた。
こんな真っ暗な中でよく見つけたものだ。
聞けば昨日は早い時間に村に着き、ゆっくりと宿を探しゆったりと街を散策できたそうだ。
そうあるべきなんだよなー。



バスが出るまでにはまだかなり時間がある。その間、話はこれまでのお互いの渡航先となった。

Mさんの旅履歴は私にとって猛烈にうらやましいものだった。
ほとんどの世界遺産を訪れ、欧州の国々もかなり訪れたという。
なによりすごいと思ったのが、予習の緻密さである。
昨日も少し聞いたのだが訪れる予定の国の地図をほとんど諳んじるところまで知識を得ておられる。



実のところ、私も旅仲間には「かなりの予習家」といわれたりしているのだが、ぜんぜんレベルがちがうのだ。
まるで俺はクラスで一番もてるぞと自慢して悦に入っていた男の前に、ジャニーズが集団で訪れて一気に人気をさらわれたようなものであるってぜんぜん意味がわからないがとにかくそんなすごさなのである。

おまけに、慎重に予習のみをよりどころとした旅のみをされているわけではなく、昨日のようにいろんな宿の門をたたいては値段の安いところを探すといった冒険心あふれる行動もされている。
臆病な私はやっぱり宿は事前に予約してしまうことがほとんどなのだ。


旅人の世界の奥の深さをMさんによって教えられた。私もこんな旅人となりたい。




おかげで今回も、

マチュピチュの受付でオリジナルマチュピチュスタンプを

パスポートに押してもらえる



という情報をいただいた。
そんな面白いこと、するに決まっている。




そのマチュピチュの受付も気になるが、ワイナピチュ登山の人数制限も気になる。

「一日に上れるのは何人でしたっけ?」
「7時枠に200人。10時枠に200人ですよ。」Mさんは即答してくれた。
「今、この段階で・・・。」背伸びをして行列の前方を見つめる。
「すでに200人くらいですね」
「じゃあ、余裕ですよね」私は一瞬安堵した。
「そうでもないんですよ。マチュピチュの入り口にホテルがあって、お金のある人はそこに泊まってます。バスを待つよりずっと早く受付に並べるんですよ。それに・・」
「それに?」
「欧米人は体も大きくて丈夫だから、バスが出る前に深夜からすでに歩き出してる人が大勢いるんです」
なんだかやばい気がしてきた。





ようやく列が動き始めた。5:30である。
バスに乗るときのポイントはできるだけ前方に座ることだ。前乗り前降りのスタイルのため、後ろに座ってしまうとそれだけ降りたときにハンディとなるため、前に座るのが鉄則なのである。
「鉄則なのである」とえらそうにかいたが、これもMさんに教えてもらった。

すぐ前のアメリカ人カップルがなかなか進まず手をつなぎなおしたりしてるのに切れつつも、無事に前から二列目に座る。
バスがうなるような音を立てて進み始めた。


おもわず動画をとる。
[高画質で再生]

マチュピチュ01 [ショッピング]
完全にテンションMAXの状態である。



しばらくすると看板が見えた。
ぜんぜん読めないが「これよりマチュピチュ山」とかいてあるはずだ。

この看板を起点とする山道に入ったところから、道は極端な蛇行を描き出す。

結構気持ちが悪い。体調悪い。考えたら、俺、何十時間もねてない。すでにこの段階で何時間かを数えることすらできない長さなのだ。
カーブの回数を数えていたが、それも数えることができなくなった。余計に気持ち悪くなりそうだからだ。



空が白み始めたころ、僕らを乗せたバスも停車した。
向こうのほうに行列ができている。



ふつう・・・・・・、こういう場面ではみんな走ると思われがちだが、走っている人は誰もいなかった。
みんな、歩いて列へ向かっている。



大阪人の俺には耐えられへんけど、我慢して歩いたわ、われ〜!!
ここが日本、それも大阪ならみんな猛烈ダッシュしてるんだろうな。



この写真のうんと向こうまで行列。


行列の間を一人のおじさんがゆっくりと歩いて、スタンプを押している。

あのおじさんの持ってるスタンプがまさに「ワイナピチュ山」への登山許可なのだ。
ゆっくりゆっくりと押している。もうすぐ僕等の番だ。間に合うかな?
すでに400人近くが押されている。(気がする)。


おじさんが来た来た来た!


あれ?なぜか戻っていった。よく見ると、チケット複数枚を手にしている太ったおじさんが他のチケットにも押せと主張しているようだ。


また来た。よし今度こそぼくらにスタンプを押してください。


あれ?また戻っていった。
もう〜。前方のグループが呼び止めて追加で押させているようだ。


今度こそ僕等の前に来た。前の女性がゆっくりとチケットを押し無事にスタンプを押してもらっている。
ここで人数が終わりになりました、っていわれたらどうしよう。







おじさんが俺たちの前に来る前に、Mさんも俺もチケットを懇願する思いで差し出した。





おじさんが・・・・・・・





無表情で、




ポンと




押して返してくれたチケットの表面にはこんな文字が。





部分的な拡大図




もっと拡大図
176?


「さっき前のほうで10時の枠はいっぱいになったって言ってたから、これは7時枠の175番目ってことですね。」(写真では176となっているが、これは私の番号で、Mさんは175番目だった。)




つまりは400人中376番目だったのだ。




376/400



なんか余裕で枠に入った20/400とかよりも、こっちのほうがよっぽどうれしかった。
朝4時半に出発してドンケツグループなのだから、みんなもっと早く出ているのだろう。


すぐまえにいたアメリカ人女性たちと喜びを分かち合って、チケットで乾杯をした。


列が動き始めた。門が開いたのだ。

                                                              


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