特別企画 |
シリーズ第一弾
高原の無人の峡にて一夜を明かすぞ 第2回
この地を訪れたのは実は初めてではない。数年前、山奥の遥か遥か言ったところに、人が訪れなくなったという駅や線路が眠っていると聞いて訪れている。
しかしそれは昼間のことだ。
今の時刻はすでに午後9時。
都市部ならまだまだ明るいがこんな場所ではどこにも明かりはない。
ぎゅるるるるる〜。
すっげえ不安をあおるタイヤの音。まともには進んでないのがよく分かる。
「やばいな。昨日の雨で道もどろどろやし。」
「本間はここは歩きで登る登山道やろ。」
「そんな感じやな、しかも・・・。」
「道幅が狭くてすぐ横は崖やし。」
「あ”〜!もっと左に行って、でないと崖に落ちる。」
「よっしゃ。」運転手のN氏がいう。
「あ”〜!もっと右に行って、出ないと岩にあたる。」
「どっちやねん?!」
「えっと・・・・・・じゃあ・・・・・紆余曲折して・・・・・・。」
「ああん?」
ー-------第1幕 真っ暗な山の中でさまよう三匹 編---------
あほなことを言ってるうちに、ようやく道は平坦になった。
右下の谷川の音がすぐ近くに聞こえ始め、目的の無人の駅が近づいた気がする。
車を停めた。数年前の記憶をたどると多分この下に駅があるのだろう。
今日はここで野宿するのだ。
辺りを偵察しよう。
車のエンジンを切った。
わ!!
真っ暗じゃん。
街灯などあるはずもない山奥。あわててヘッドライトをつける。
ううむ・・・・・・。
ライトをつけても手元がぼんやり明るくなるだけで周囲の状況はほとんど分からない。
人間は闇夜ではいかに無力かを実感したときだった。
さてと・・・・・・・
3メートルほど下に今夜のキャンプ予定地があるのだが、崖ばかりで降りる場所がない。
以前訪れたときはかなり広いスロープの跡があったのだが。
人間だけなら何とかなるが、大量の荷物を持って崖を下るのは無謀である。
荷物がこんなけあるのだ(次の日の朝に撮影)。
「とりあえず偵察してみようよ。」
「たしかにそうや、
慎重にいこうぜ。
なぜなら・・・・・・・・・・
敵が潜んでるかも知れへんし。」
「はあん?・・・・・・・敵って誰やねん?」
敵の有無はともかく俺達は崖の下に降りる決意を固めた。
「何がいるかな?」
「ライトやろ。」
「うん、うん。」
「ナイフやろ。」
「ああ、草ぼうぼうやもんな。」
「違う!!
敵がいるかも知れへんから。」
「だから、敵って誰やねん。」
猛烈な生命力を誇る草を掻き分けながら進んだ。
「いた〜!」
「がまんしろって!」
「かゆ〜!わ〜、それにべたべたしたものが頭に!!!!!」
もう、私は虚弱丸出しである。
くもの巣をアクセサリーにし、虫の襲撃を受け、体中を傷だらけにしながら、僕達は人里はなれた山奥を夜の夜中に進んでいる。
一体、俺達なにしてる??
やがてキャンプ適地が見つかった。
あとは荷物をどうやって運ぶかだ。
このシリーズの目次
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