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   シリーズ第一弾  

    高原の無人の峡にて
一夜を明かすぞ  第1回








-----------序幕 テキトーな思いつき 編ー-----------





ぶにゅ、ぶにゅ、ぶにゅ・・・・・・。







ここは人里から10キロ以上はなれた山の中。






時刻はすっげえ遅い時間。





ぶにゅ、ぶにゅ、ぶにゅ・・・・・・・。









傾斜角30度の坂道を登る車のタイヤの音が異様に響いてくる。
おそらくはこの道を車が通ったのは数年ぶりのことかもしれない。








ぶにゅん、ぶにゅん、ぶにゅん!



音が変わった。さらに道が柔らかくなっている。




俺達はどこへ向かっているのか・・・。



ずずずずず!



ふんぎゃ〜。
やっぱりか〜!!
車輪の動きとは違った方に車が進んでいる!






やば!
泥の坂道をすべり落ちてる!









すぐ横は・・・・・









 ・・・・・・崖!








俺達はどこへむかってるねん〜!?




話は数ヶ月前にさかのぼる。



とあるファミレスで我々は次の旅のネタを考えていた。
「やっぱキャンプしたいねー。俺らいつも日帰りやし。」
「でも普通のキャンプは嫌やなー。」
「なら、あそこへ行こうか?」
「でもあそこでキャンプってかなり無茶やろ?」
「仕事が終わってから出発なら夜中になるしな・・・。」

「ううむ・・・・・。」



「ううむ」などと言ったものの、俺達のこと、


行くに決まってるじゃん!!



集合は夕方6時。ここから車を飛ばしても3時間はかかるだろう。
でもいいのだ。
設備の整ったキャンプ場ではないので、荷物が車にいっぱいになった。















地元出発午後6時。



車の走りも快調、快調!高速をぐんぐんゆく。


行く先に地獄が待ってると知らずに。






条件が悪すぎた。その山奥の坂道は雨上がりで、しかも数年は車が通っていない廃道同然であり
古い道のため幅が狭く、なにより荷物満載の重すぎる車であった。


ハンドルを握るN氏の腕便りである。
数センチで崖に落ちそうな状態の中、必死にアクセルを踏む。
じりじりと車は進む。










「がんばれー!」







「わー!急に耳元で叫ぶな、ピースケ!

崖に落ちそうになったわ。」











あー、もー、私たちはどうなるのだろうか。           


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