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インドへ、そしてマザー・テレサへの道

                    第22回
    別れ 編
  

いつ口から心臓が出てもおかしくなかった出発から一週間がたっていた。
鼓動は平常に戻っていたが、目に映るものすべてに感受性が動くのは変わっていなかった。
どんな旅でも五日もすれば飽きたりするものであり、「飽きる」という心境はある意味、
「心の余裕」を生み出したりするものだが、この町はそんな余裕など与えてはくれなかった。

いつもなら「見なれた」地下鉄の駅を降り、
「歩きなれた」大通りを通り、「通いなれた」ダヤダンへ向かうのだが、
小さな冒険心が生まれた。

路地裏を通ってみよう。

あら?
きれい。

大通りと違ってごみも少ないし、アスファルトも壊れていない。
なによりクラクション地獄ではない。
唯一つ大通りと同じなのは「アナタァ、ワタシノォ、トモダチネ、トモダチヨ」と寄ってくる皆さま。



このダヤダンには世界各地からたくさんのボランティアが集結している。
イギリス、スペイン、韓国、中国、そして日本。
長期にボランティアをしている人はまれで、数日から数週間のサイクルで入れ替わっていく。
最初は他のボランティアの見よう見まねで動いていく。
そして知らぬ間に連帯感も生まれてくる。

それぞれどうしてここへ来たのかを話したりもした。
なかでも心に残ったのが、インドへ来ることを友人に「偽善」といわれた学生との会話。
いろんなことで悩んだそうだ。
分かる気がする。私自身、自問自答の中でそれをおもったりもしていたからである。
でも、だ。

何もせずに言葉でボランティアを偽善と批判している人よりも、
たとえ多少の偽善が混じっていようとも(私がそうかもしれない)、
他の人のために自分の時間を費やす方人の方がずっと立派だと信じる。



京都から来たH=Mさんともいろんな話をしたが、今日でお別れなのだ。
彼は海外旅行でおなじみのとある出版社のボランティアプランでここまでやってきた。
数日の出会いだけど、関西人同士、話があって楽しかった。

他にも私と同じボランティアプログラムでやってきたY=OさんやM=Kさん、A=Uさんともお別れとなる。
彼女らは一週間のボランティアを終える。
そして私は今晩、バラナシへ向かって出発するため、この日が最後の集結となった。
たった数日のすれ違いだけど、日本から数千キロはなれたところでの出会いのため、
途方もなく貴重な思い出を共有させていただいた気がして、今も忘れがたいのだ。
     
日本人だけではなく、いろんな国のボランティアとともに。
そして最後の瞬間を共有した写真。(掲載についてはご本人にインドで承諾を得ています。あ、でも日本人だけですけど)

写真を撮った後、大通りに出た。


では、ここで。


またどこかで。(さようなら)



びびるまい。
バラナシへは10時間以上の長距離列車の旅となる。

あなたはこの公式をご記憶だろうか。

長距離列車20短距離列車15バス10タクシー7オートリクシャー4サイクルリクシャ3地下鉄 1

インドにおける乗り物の難易度である。
なんといってもぶっちぎりで怖いのが長距離列車である。旅行のガイドブックでも不安を誘う記述にあふれていた。
目を離すと荷物は持ってかれちゃうわ、
腕時計は知らない間に消えるわ、体は消えるわで大騒ぎらしい。
幸いボランティア仲間数人とともに行動するため荷物の管理は大丈夫とはおもうが、
私以外はみんな女性(しかも学生)なのだ。


誰が俺の「体」を守ってくれるんだろう・・。



とあほなことを考えているうちにハウラー駅についた。
    
私の背中からぶら下がっているのは晩ごはん。
真後ろに警官がいる。



待合室にいる私たちに小さな子どもが寄ってきた。理由は一つである。
もしここで幾ばくかでも小銭を与えると、物陰に隠れていたほかの子ども達がわーと寄ってくるだろう。
七日もインドにいるとそれぐらいは分かるようになっていた。
良心が痛みながらも相手にせぬよう努力した。
でも、彼らも生きるために必死なのだ。絶対にあきらめようとしない。
お金を持っている日本人が複数で自分の目の前にいるのだ。
「弱ったな・・・。」

そのとき「Hey!」
横合いから警官がやってきた。

おまわりさんは

幼児を警棒でつついて追い払ってしまった
じゃんか・・・。

それほど力を入れている風でもないが、子どもを警棒で追い払うのはいかがだろう。

でも、俺だってあの子を無視した。
怖い警官につつかれるより、一見善良そうな日本人の集団に無視されるほうが辛いことだったかもしれない。






列車が珍しく時間通りにやってきた。
座席を見た。



「うわ!」




たくさんいらっしゃるではないか。




この世で私のもっとも苦手な




蟲さんが、









それも






羽の黒い





動きのすばやい・・・・、






あの蟲さんが〜
























 。




                      
 つづく・・・・・・の?気持ち悪いよ〜。



     

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