インドへ、そしてマザー・テレサへの道
第10回 それぞれの道 編
ドボ!
ドボ!
一歩歩くごとに足元から異様な音がする。なんでこうなるねん・・・。
にわか雨が来ただけなのだが、それでなんで道がこうなるのか。
ドボ〜!
しかしだ。
これがインドの道なのだ。
みんな平然としている。
俺一人パニくっているインドの早朝・・・。
ついでに頭にあたる雨の音も強まってきた。傘は持ってこなかった。
カッパはあるけど、こう頻繁に降ったりやんだりでは、ぬれたカッパは雨上がりの時には荷物になる。
本降りになった直後、不意に雨がやんだ。
8時、周囲の人たちは一日の始まりの作業をしている。
板を並べただけの簡易なものではあるが誰かの生活を支える店が、
泥水と牛のおしっことその他もろもろの排水あふれる車道上に広げられ始めている。
そのすぐ後ろでは眼を覚ましたばかりの幼児が道から噴出す水で頭を洗っている。
車道との明確な区別のない歩道ではまだ寝ているおじいさんがいる。
そして一番多いのが、軒下でただたたずむ人たち。
地図を見ながらパークストリートまで行こうと歩いていた。
が、コルコタの町には目印になるものが少ない。正確に言うと、建物が全部同じに見えるのだ。
どうやら迷ったようだ。
でもこれでもよかった。知らない町を歩こう。ヒッチハイクに比べれば怖くない。
今を逃すと二度と見ることが出来ない街並みを心にしっかり焼き付けながら歩き続けた。
道をいくつか曲がりながらも、どうにかパークストリートにたどり着いた。
ガイドブックで取り上げられているカフェがあった。
このコーヒー15ルピーとバタートースト12ルピーを頼む。
あわせて70円ほどの激安。インドの人には700円の価値のある豪華料理。
向こうのテーブルには白人のグループが座り、横にも東洋人。インドの人はこない。
レジで傘を売っているところはないか聞くと、すぐに向かいの売店にあるという。
売店で買った傘は差した途端に骨組みがミサイルのごとく飛び出した。
買って1秒でスクラップ。でも150ルピー。日本円で450円弱。
インドの人にとって4500円?
インドの傘の相場なんてしらないけど、正規の値段なんだろうか。
また雨が降ってきた。ミサイル傘の出番がすぐに来た。
このサダルストリートを歩くと、次々と声をかけられる。時候のあいさつなどない。
みんなの目当ては私の財布の中にあるもの。
とはいえ日本人=「社長さん」という声はきかれなかった。
多かったのは「へい、あなたは私の友達だぜ、ジャポニ。俺たちの仲間のところに来ないか?」
私は旅先で友だちをいっぱい作りたいけど、それとはまた違う「友だち」が町にあふれていた。
いろんな「友だち」をやり過ごしながら歩いているうちに、
別の世界に迷い込んだことに気づいた。
町を歩く人はみんな俺の「友だち」ではなくなっていた。
男はYシャツ、女もサリー以外の服装が多くなった。
道も手入れの大変なレンガ造りである。
並べてみると、インドの実態というか貧富の差を感じてしまう。百メートル離れただけの別世界。
こ
の
左
右
の
違
い
、
衝
撃
的
で
あ
る
。
そういえば横断歩道のデザインが日本と同じである。
一軒の本屋が目に入った。
読めもしない本を買いにはいる。
だって、
「この洋書、インドのオックスフォード書店で
手に入れたのさ。」
ってなんかかっこよさそうだし。
店の中は路上以上に別世界であった。ガードマンに荷物を預ける。
「どこから来たの?」「日本です。」「いい国だよね。」「ありがとう。」
日本へのお土産を買う。絵葉書一枚10ルピー。12枚買ったから120ルピー。
プリントアウトされた領収書ももらった。
そろそろ我慢できなくなってきた。
おしっこが。
ガードマンにさわやかに聞く。「すいません。トイレ貸してください。」
「店にはないよ。この・・・・・・・・をいくと、・・・・・・・・があるからそこでしなさい。」
「あの・・・・・・・の部分、聞き取れないんですけど。」
「ごめん、ゆっくりいうね。●○●○・・・・・だよ。」
「あ、ありがとう。」肝心な部分が固有名詞のため、どうしてもわからなかった。
たしかダルストリートには公衆トイレがあったけど、歩道のど真ん中にオープンしているトイレだ。
私にはできないよー。
日本と違ってそこらでするわけにもなあ・・。とはいっても日本でもそこらでしたりはしていない。
それに日本と違って、人通りが少ない場所など存在しないのだ。
かくして、トイレ探しの旅が始まった。
ただいま危機状況、黄色。
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