みんな、ありがとう 普段着お遍路歩きの記
2004年夏編 第9回
あっという間に山道を下りた。やはり下りは好きだ。
左右に田園の広がる美しい景色を楽しみながら、市街地に再び入る。
「水、ある?来なさい。」
不意に声をかけられた。見ると民家のドアが開いておばあちゃんが手招きをしている。
カバンに水を用意していたが迷わず頂くことにする。
氷のたっぷり入ったお茶を頂いたのはこれで2回目だ。
しかもこのおばあちゃん「氷とけるまで待ってからゆっくり飲んでいいよ。」
すいません、まてません。一気に飲み干した。
納め札を渡すと、おばあちゃんはなぜか丁寧に手を私に(あるいは納め札に?)合わせてから受け取った。こんな丁寧に受け取ってくれるとは。お接待を受けたのは私なのに・・。
四国の人に共通するこの優しさ、私はどこかでお返ししたい。
甘受ばかりではいけないんだろうな・・。でも・・・・・。
おばあちゃんのくださったお茶は多分5分くらいで汗となって流れ出てしまった。
それに、太陽に当たってる部分がライターであぶられてるかのように熱い。
暑いのではない。
熱い!
それになんだかさっきから眼が痛い。サングラスを持ってくるべきだったか。眼球の奥が鈍い痛みを感じだしていた。
ということで命の危険を感じて食したのがこれである。
喫茶店で横のおっちゃんが話しかけてきた。
「どっから?」
「大阪です」
「大阪も広いよー。」
住んでる住所を言った。すると・・・
「なんと、隣町やないか。」またまた近所の人に会ってしまった。どうして四国には大阪人が多いのだろう?
喫茶店のおばちゃんが言った。
「あなたのように山の遍路道を越える人は少ないみたいねえ。みんな、国道を行ってるわよ。」そうなのか・・。
お二人に挨拶をして店を出ようとした(お金は払ってますよ、もちろん。)
おっちゃんが話しかけてきた。
「それはそうと、兄ちゃんは学生か?」そんなに若く見えるのか。普通にうれしい。
「いえ、社会人です。」
「そうか、職場では出世株やろうな、こんな日に歩く根性あるんやから。」
出世株・・・?この俺が?こんなに仕事が嫌なのに・・・・・。
おばちゃんがいってた国道を行く。
その国道だが・・・・・・日陰がまったくない。みんなここを歩いているのだろうか?
それに遍路シールもなくて怖くなってくる。
眼が痛い。それに頭も痛い。この太陽のすごさよ。これが本当の夏の日差しなのだろう。すごい・・・。
遍路シールがないまま30分が過ぎた。
遍路に関する本によると、20分歩いて遍路系のシールや看板がない場合は迷ったと思って良い。ただちに引き返すこととあった。
そんなものなどまったくない。
まさか、俺、道に迷った・・?国道上で・・?
どこかで曲がり角を見落としたのだろうか?
遍路特有の歩き方、すなわち電柱を必死で見ながら歩いた。
シールを探しながら・・。
めまいが続く・・・。
何キロ歩いたのか分からないが、ようやく一本の電柱に同じみのシールを見つけた!
よかった。
途中、四国でやたらと見かける明屋書店があった。大阪にはない。これは四国限定なのだろうか?
そしてこの本屋が「あけやしょてん」ではなく「はるやしょてん」と読むことを今日はじめて知った。
そうか、「はるやなのか・・・」
そ
う
思
っ
た
瞬
間、
不
意
に
め
ま
い
が
し、
思
い
っ
き
り
道
端
に
嘔
吐
し
て
し
ま
っ
た。
うわ、俺、どうなってるんや?いきなりゲロなんて。
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