みんな、ありがとう 普段着お遍路歩きの記
2004年夏編 第8回
前回で紹介した本のとおり川の音で目が覚めた。実はほとんど寝てはいない。深夜1時過ぎまでおきていた。あなたもたまに寝そびれることはないだろうか。布団に入るまでは眠たくてしょうがないのに、そのピークを過ぎると妙に目がさえてしまう・・・。
昨日お願いしていた時間におじいさんが起こしにきた。
今日も暑そうだ。というか、朝6時ですでにもう暑い!
食事をとり、さらに歩き遍路にはお接待としてくださっているおにぎりをいただいた。
7時に宿を出た。
「牛乳飲む?」なぜかでがけにおばあちゃんがそう聞いてくれた。
「いいえ、僕行きます。」
8月10日 午前7時過ぎ、出発。
今日は水もたっぷりと用意した。昨日の愚はおかすまい。そんな誓いをする私を威嚇するかのごとく、太陽が大急ぎで高いところまで上っていく。
1分ごとに気温が上がる気がする。いや、気がするのではなく、本当にあがっている。
今日、いよいよ三つ目の国に突入する。伊予の国だ。愛媛県だ。その素敵なラインをどこで越えるか考えた。国道をゆくか、それとも山の中を抜けていくか。国道なら自販機も必ず存在する。だが、排気ガスを撒き散らす車が通る。当たり前だが。
山の中なら何かあっても誰も通らないから助けを呼べない。
悩んだ末、日陰を優先した。
2時間ほどで分岐点に来た。
左右にみかんの木が生えている道をとおり・・・・・・
「松尾峠 3000メートル」の表示・・・。辛そ・・・・・。
本当に峠になった・・。
デッドタイムゾーン(10時から14時までのもっとも暑い時間に突入。
通る人は誰もいない。
思ったよりも松尾峠は楽である。ふっふっふ〜。今日は私は勝利者のようだ。この程度の道なら軽々と登ってやるぜ。どっからでもかかってこんかい。こんな文字が浮かんだ。
松尾峠制覇
おや、向こうに何かが見える。なになに・・・・・?
全体写真↓
どりゃ〜!?
こっからが松尾峠だったのね。
どっと疲れが出てきた。
松尾峠制覇
すでに全身が汗でずぶぬれだ。
だけど原生林に包まれる感覚は悪くない。いつかこの体験も私の生きる道の中で生かされることだろう。だから、とまることなく歩いた。
だから上り階段も上った。
にしてもそろそろ伊予の国にならないのかな?
その気配すらない。
でもいいのだ。歩くのだ。
ついに道が平坦になった。ここは文句なし。
愛媛県突入
よく見ると石碑にこんな文字が。
「これより伊予の国宇和島藩」とかいてある。
その向かいには大師堂があり・・・・・
その下には猫がいた。
ここでおじいさんにもらったおにぎりを食べる。
こら、
こら、
こら、
人のひざに乗るんじゃない。っていうかそのおにぎりは俺のや。
でも追い払うことができず、おにぎりの半分を猫に食べられてしまった。
しょうがない。お接待でいただいたかりんとうを食べよう。
これ、
これ、
これ、
そんなものまで催促するんじゃない。でも食べている。猫ってかりんとうを食べるのか。
結局、半分以上を食べられた・・。
木々の隙間から、海が見える。あれは今まで私を慰めてくれた高知の海だろうか。それともこれから私を受け止めてくれる愛媛の海だろうか?
じゃあ、またどこかで。
私は大師堂と猫にわかれをつげて、伊予の道を歩き出した。
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