みんな、ありがとう 普段着お遍路の記
2003年 冬編 第13回
(高知市へ)
ラーメンが食いたくなってきた。
私の歩き遍路旅においては、朝、夕は宿でとっているが、昼はもちろん外食だ。
だからその時の気分でメニューを選ぶ。
ただし、移動が徒歩のため、望んだ店にありつけるとは限らない。
昼までにうまくラーメン屋を見つけることができるだろうか。
国分寺近くの国分橋を渡る。このときも心の中は「ラーメン、食いてー。」
そして、29番霊場 国分寺 12月29日10時51分
少しもゆっくりせずに、すぐに歩き出す。
理由は・・・・・・・・・・・・・、低俗なので書けない。
そんな低い志を持つ遍路であっても、四国は美しい景色を見せてくれる。
日は高く上り、雲はどこかへ旅立っていた。
何も植わっていない畑も美しいことにこのとき気付いた。
でも、この美しさも、今写真を見て感じたのが真相である。
当時はどう思っていたかは、もう言わない。
紀伊半島の旅日記でも書いたのだが、私は一人で飯屋に入るのが苦手である。
なんか、躊躇してしまう。だが、このときはラーメン屋だ。一人でも大丈夫だ。
それに、これがフランス料理屋とかなら、なかなか見つからないだろうけど、何つっても国民食のらーめんですよ、らーめん。すぐに見つかるに決まってるやん。
ない。あらへん・・・。
いや、大丈夫。すぐに見つかるはずだ・・。すぐに・・。
一時間が経過した。私はまだ歩き続けている。もう昼過ぎだ。
おいおい・・。
向こうに緩やかな上り坂が見えた。このすきっ腹に登りかよ。
しかもだ。この写真でも分かるように、店屋がありそうな雰囲気ではないのだ。
だが、しょうがない。歩くしかない。前へ。
あ、看板が見える・・・!
ラーメン屋でありますように・・・。
ほお・・。
美容室ねえ・・・。
こんなときに髪を切ってどおするねん。
あ、また看板が見える!今度こそだ!おめでとう、おれ!
ほお・・・・・・・・・・・!
ほおおおおおおおお!!!!!!
おフランス料理屋やないかい!
一人では入られませんよ。
しょうがないから、次行ってみよお!
こうなると、目に見えるもの全てが、食堂の看板に見える。
向こうのほうに原色の金属が見えたが、それは山を採掘するための機械だった。
めまいがしてきた。まったく店屋がない。
さっきのおフランス料理でもいいから入っておけばよかった・・。
ラーメンに固執したのがよくなかったなあ・・。
実は旅に出ると結構昼飯に困るのだ。私のキャラでは。
思い込みは激しいし、その割りに内気やから。
グループ旅行なら、そう、一人旅でないのなら、こうはならなかっただろう。
いじめるような上り坂はまだまだ続く。ここは逢坂峠である。
そして、また看板が見えてきた。
それは・・・・・・
ではなく・・・・・・、
その横の・・・・・・・・・
←マウスを当ててみてください。(懐かしいなあ)
実は、店での記憶がほとんどない。
何ラーメンを頼んだのかもまったく覚えていない。ただ、20分以上待ったことと、待っているときに「ドラえもん」を十何年ぶりに読んだことだけが、霧の中の晴れ間のように今も浮き上がっている。
店を出て数分で上り坂が終わった。そしてその、のぼり終えたときにラーメン屋の看板と同じくらい(上回る、と書かないところが私の弱さだ)すてきな看板があった。
いよいよ高知市
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