みんな、ありがとう 普段着お遍路の記
2003年 冬編 第2回(フェリーの中)
乗船した。
今から何をするか?他の方は寝台でゆっくりと時をお過ごしになっている。
で、
俺?
んなもん・・。
じっとしてるわけがない。
荷物を置くと、即、船内探検に出かけたに決まっているではないか。
それにしても随分古いフェリーだ。22歳だという。下の写真を見ていただいたら分かるとおもうのだが、実に天井が低い。私が手を伸ばして届くのだから相当な圧迫感である。
特に目を惹いたのが、この時計である。実にレトロな感じだ。このように廊下ですら、旅に出たときの私には興味の対象となる。
久しぶりに写真を見て思い出したのだが、
ちゃんと時計を指差していた。
実に、うれしがりである。
(拡大図)
さあて、廊下でばかりたたずんでいるわけには行かない。探検じゃ、探検!
車の保管場所にも下りてみた。なぜかこんなところでも写真を撮っている。私はいったい何に心を惹かれたかお分かりだろうか?実にこのデザインというか雰囲気がいいのだ。
答えはこれである。↓
どれだけの方が正解なさったのだろう。多分、みなさん、アホとお思いになったことだろう。
これはね・・・・・字体がいいのだ、字体。
すごいレトロな感じがしませんか?
このフェリーは出発のときに、ドラを鳴らす。
わお!ドラ?そんなもの、私は見たことがない。見たい。特に鳴らすところを見たい!できれば叩かせてもらいたい(は無理だろうが。)
当然、鳴らすのだから外にあるだろう。問題のブツはすぐに見つかった。
すぐに、船員さんがやってきた。
おお!これから鳴らすんやね。まってました!パチパチ!
船員さんがちらっとこっちをいぶかしげに見た。そりゃ、そうだろう。不思議そうにじ〜っと見ている変な客がいるのだから。
まあ、ともかく船員さんがかっこよくならし、その音が契機となって船が出た。
エンジン音がする。振動が強くなってきた。
私は展望デッキに出てみた。ここなら人がたくさん集っているだろう。
誰もいなかった。みんな、部屋の中にいるのか。旅立ちの日に私は冷静にはなれない。
ゴン!重い音がして船が動き始めた。私はさっきのドラのあるところに戻った。
明石海峡大橋が小さく光っていた。そんな小さな光と港の煌々とした明かりが一つになっていく。その反対に海はどこまでも暗く、これからわたしが進んでいくほうに光はなかった。
もう港の人影は見えない。さっきまでは意味のある燈火として存在していたものが今は雑多な「光」という枠組みでしか、私の目には入らなくなっている。
寒い・・。
でも、私はなぜか人の声のあふれる暖かい船室に戻る気がせず、ひとり風に吹かれながら、真っ暗な海と向こうに見える頼りない光の粒をずっと見つめていた。
ようやく中に入ったのが10時過ぎであった。
今回は睡眠をとるため、二等寝台をとった。数千円の出費だがまあいい。明日以降、歩きやすくするためだ。私は寝不足が嫌いである。
ふと、周りを見て気づいた。みんな、寝ている・・。部屋のカーテンはすべて閉まり中からおっちゃんのものらしきいびきが聴こえてくる。
しょうがない。私もカーテンを引いて明かりが漏れない状態にして、今日の日記を書こう・・。
さてと、日記、日記・・・・・・。
ううむ・・・・・・・。なに、これ?
この部屋、気持ち悪い・・・・。
実に実に狭いのだ。本当に狭い!なんというか入ったことはないのだが、棺おけに寝かされている気分である。
当日の日記・・・。
すべて原文のママ。
12月26日
いよ出発。パチパチ!ってそれよりも、この寝台の狭さは
なんや?こうして日記を書いていても発狂しそう・・・。
僕一人がデッキで騒いでいた。みんなはそうしないのかな?
明日は誰よりも早く起きて、探検しようー!!
では、おやすみなさーい。
V.S ようやく俺はお遍路さんになれました。
というか、実にアホな文である。なんで「パチパチ」とか書いてるのか?それ以上に最後の行の「V.S」とは・・?誰かと対決してどうするのだ?これは「P.S」のつもりなのだろう。いや、P.Sにしても、なんで日記で「追伸」をかくのか?おれは・・!
気づけば11時半である。もうねるとしよう。
V.S なんか、遍路を始める前の描写が長くなりましたね。私の旅って実際にこんな感じです。
出発の時からはしゃいでいる。でもこれも、旅のスタイルの一つだとおもうのです。
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||