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みんな、ありがとう 普段着お遍路歩きの記
  

                     2004年冬編 
 第5回


                    反省文(4枚目)

  私ことピースケはこともあろうに、へんろ道におしっこをしようとしてしまいました。

 でもそれは未遂に終ったのですが、その瞬間を女性に目撃されかけたのか、

 されてないのか、さあ、わかりませんが、結局まあ、そういうことっす。

 二度とこのようなことはいたしま・・・・・・・。


  2004年12月29日  ピースケ

いきなり反省文から始まったが、その女性は私の行為に気付いたのか気付いていないのか、はたまたもっと見たかったのかはわからないが、私を追い抜いていった。

ふう、あぶなかった。もう二度とへんろ道でおしっこなんかしないぞ、と人として重要であるような、どうでもいいような決心をしてまた歩き続けたのだ。


そういえば、今日はじめての同じおへんろさんを見た。




愚かな私を大自然は包み込んでくれていた、(と思う)。
本当に美しい雪景色だ。

私はまた歩き出した。雪はいつの間にかやんでいた。
これでこっちのものである。怖いことなんかあるかい。
敵はただ一つ、尿意のみである。


ああ・・・尿意・・・。思い出してはいけないのだ。

そう、尿意のことを忘れろ!

忘れろ!


おしっこなんかしたくないぞ!僕は!





絶対に考えるんだよな。こうやって。



ともかくも前へ進まなきゃ。がんばろう。



おしっこ、おしっこ、おしっこ、おしっこ、おしっこ、おしっこ、おしっこ、おしっこ、おしっこ、おしっこ、

標高が随分高くなっている。雪はやんではいたが、地面に積もるそれは平地のそれとは比べ物にならないぐらいだ。
さすがに足元からじんじんとした冷気が伝わってくる。                                          
冷気といえば、おしっこ、おしっこ、おしっこ、おしっこ、おしっこ、おしっこ、おしっこ、おしっこ、おしっこ、おしっこ。


あほう、がまんせい、俺!この上の景色を美しいと思わないのか。

うん、美しい。がんばろう。




徐々にではあるが、傾斜がゆるやかになり、やがて下り坂となった。
それにともない、路傍に小さな石の仏さんがたたずみ始めた。
さらに急な下り坂となった。

ゴーン!

聴こえた!たしかに聴こえたで!よっしゃ。
札所には絶対にトイレもあるやろうし。よかった。

灰色の木々の間から、もっと灰色をした岩が見える。気付けばごつごつとした岩の壁に囲まれていた。これがこの霊場の名前の由来となったのだ。


目の前に巨大な岩がそびえており、それは真ん中で大きく裂けている。これがうわさの行場か。
すごいな。
この裂け目には綱が張ってあり、そこを登る修行があるのだ。なんとも神聖な場所よ。

でも、私の興味はその下の建物にあった。

おしっこ、もといトイレである。


マシーンのように体が動く。




             
                          
                                 
                                     





セーフ!




                 
             12月29日 45番霊場 岩屋寺到着だぜ!



                                  この笑顔・・・。



ふとみると、はしごがある。あの上にも何かあるのかな? 
必死で登ると小さな祠と納札入れがあった。
あー、しまった。下のリュックに納札置いてきちゃった。
(今後ここを登る人は納札を持っていってください)。

これは通りすがりのおばちゃんが撮ってくれたものです。
どうもありがとう。











少し早いけど、山を降りるとしよう。
急ぎたくはないがしかたがない。




行きと変化をつけるため、県道を行くことにした。この県道へ下りる道に驚いた。
延々と階段が続く。これを登るのはかなり大変だ。車の人は駐車場からこれを登るのだ。
本堂までのルートが車より、歩きのほうが楽な初めての札所であった。




帰りは順調と思っていた。

が、また雪が降りだした。
県道の両側に家はなくこれまでのへんろ道と比べて
恐ろしく幅が広く見えるアスファルトの公道がそこにあった。

その文明の塊に向かって落ちてくる雪は、


朝よりももっと意味を持っているかのごとくに、


無限に舞い狂っている。


なぜかそれを全身で受け止めたかった。

途中の休憩小屋に納め札を貼った。



往復6時間を見越していたが、すでに8時間近くが経過していた。

午後2時半に宿に戻り、荷物を受け取った。

ここから十数キロはなれた46番手前の宿へ向かうのだ。



まだ明るい、大丈夫だ。
十数キロなら歩ける。
なにより雪の中をあの岩屋寺へ向かって歩いた実績がある限り、軽いものだ。

そうおもい、私は歩き出した。向こうに雪山が見える。

まさかあれを越えるわけがない。でももし越えることになっても、俺なら大丈夫だ。
そう確信して、進んでいった。








全てが間違っていた。



この後、1200キロの遍路の全行程の中で最大の恐怖を味わうこととなる。

                


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