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失われた学校、村、道、鉄道を訪れた日の記録



        地底探検 第5回



洞窟に入れば入るほど心が温かくなるのを感じていた。
今回の地底探検ではさまざまな心模様が交錯していた。
スリルに興奮し、暗闇に恐怖し、光に安堵し、生き物に高揚していた。
そんな興奮も恐怖も安堵も高揚も全部一つにまとまるとそこには温もりが生まれる。
複雑なものではなかった。人間にとって最も原感覚ともいえるもの。
すなわち「温かさ」。

出発前はスリルだけを求めていた。でも計らずも心が温もっていくのだ。




  
   景清洞



この地域には洞窟が多い。私が解説するまでもない事実だ。
今度は景清洞にいく。

入り口にそそられる表示があった。


 
探検コース +300円


中には一般のコースのさらに奥に明かりも何もない洞窟がある。
ヘルメットと長靴と懐中電灯をかりて進んでいくのだ。



もちろん行きます。



興奮して進む私たちの行く先には今はまだライトアップされた洞窟があった。


今日何度目かの心臓の高鳴りが始まった。


入り口こそ広かったが、だんだん狭い道へ入っていく。



歩いて、あるいて・・。

そして・・・・・、新しいコースが始まった。
           
この「一般観光コースおわり」というのがなんかそそられる。
俺たちは今から一般人じゃなくなるのだ。実にちいさな満足感だが、これでいいのだ。





明かりは一切なくヘルメットについたライトだけが頼りだ。
長靴で歩いているのだが、ゴムのそこが薄くてもろに足の裏に痛みがやってくる。
でもより冒険気分が高まる。これでいいのだ。




                    それでも歩く。


            

ライトの小さな明かりだけを頼りにしていると、岩壁に写される陰影がかなり怖くなってくる。動くし。しかしそれが実にスリリング。だからこれでいいのだ。



まだまだ行く。
右側に側道が見える。しかし完全に水没している。
さすがにいけない。

やがてこんな文字が。



          終点まであと30m


身をかがめて進む。



そして地底の道はここで終っていた。





この洞窟では誰とも出会わなかった。これが楽しい。

もと来た道を進み、一般観光洞窟へと戻る。

一般観光といってもこの異世界たる光景。
上の写真も着色も修正もしていない。普通にとってもこれだけの景色になるのだ。





それにしても・・・・・・・・・・・




一日に洞窟探検を三つだ。



なんと素晴らしい時間よ。大阪を出てまだ10時間ほどしかたっていないのに、これだけの体験ができたとは。








洞窟を出た瞬間に今日の宿泊地についた。 
まだ明るい。春はいいなあ。日が長い。                                            

そう、景清洞のすぐそばにキャンプ場があるのだ。



今日はここでテント泊をする。

晩御飯はこれに決めた。

        
                特製焼きそば









いつしか夜も更けてきた。ガスランタンの明かりが目に優しい。

          



このキャンプ場には温泉も沸いていた。露天すらある。

風呂から上がった。一日が終わりそうだ。
もったいない。
だから、ふと思い立って近くを散歩した。


いろんな話をした。
旅の話も無論した。
旅のスタイルは二者二様でもあり共通もしていた。


テントに戻っても寝る気がしなかった。

辺りは闇に包まれていたが、洞窟のときとは違うようでいて、なんだか同じようでもある。
今我々が見ている星空は鍾乳石と同じぐらいの長い年月を生きてきたんだろうな。
                 


寝る前にタビロイドさんが言った。
「明日はどこへ行きます。」
「決まってるじゃないですか。」
「そうですよね。」






そう、明日の行き先は





もちろん






「もちろん、cave 

     (= 洞窟)  
。」

                                


    

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