第25回 最東端のさらに先へ



     北・・・宗谷岬
     東・・・納沙布岬
     西・・・西岬(与那国島)
     南・・・波照間島



これまで日本の東西南北の先っぽを訪れてきたが、最東端だけはまだだった。
形だけの石碑をスルーし、本当の東の果てに降り立った。

眼前に波が押し寄せてくる。足元がぐらぐらである。
オホーツク海のとどろきは他の海以上に厳しい気がした。


さてと・・・・・


記念写真である。
先っぽにたって、カメラは三脚に載せて連続撮影のセルフでかっこいい写真を撮るのだ。


       よ
     |
     い
      、
     ス
     タ
     |
     ト


位置を決めた!
         

正面を向こう!
        

ありゃ?
        
波音がする・・。
        

 ざっぱーん!








 

         
 もうやだ・・・。
         
 おしまい。



くつがびしょびしょ・・。
俺は何をしてるんだろう?


さようなら、日本最東端。
最後に振り返った。十数年前に座礁したソビエトの船が座して朽ち果てていた。
 
              
                     
足元をグシュグシュ言わせながら、岩をあがった。
灯台の下に先ほどお会いした和泉ナンバーの関西ライダーがいた。

「いやあ、この下まで降りたんですか?すごいですね。」
「でもずぶぬれになっちゃいました。どちらから来られたんですか?」
「開陽台でテントをはってましたが、雨で足止めくらいましたよ。」

ん?その日程・・・。
あ、俺が開陽台に行ったときにテントがいくつかあったが、そこから出てきた学生を覚えている。
それがこの人だったのだ。
「そういえば、そのジャージ、なんか見覚えありますよ。」Sさんが言った。
彼がトイレに行くときに私はすぐ横で必死で写真を撮っていた。
お互いに姿を見かけていたのだ
。そしてこの最東端で再会した。
「じゃあ、再会を祝って一緒に写真を撮りましょう。」
一回しかあってないけど、再会である。こんかことができるから旅は面白い。
知らないもの同士でも再会を祝いあえる。楽しきかな、旅人生。

両脇が関西ライダーのお二人。
同郷なので実にしゃべりやすかった。
それに最果ての地で出会ったお二人とは、なんだかずっと前から知り合いだったような気がするのだ。
そしてこれからもまたどこかであえる予感がした。
こうした直感は当たることが多い。


「これからどちらまで?」
「実はもうこれで帰るんですよ。フェリーに乗ります。」
「え、今から小樽まで行くんですか。」
相当の距離があるのだが、大型バイクなら可能なのだ。チャリなら何日もかかるところをバイクなら数時間で行ってしまう。バイクへの憧れが少し生まれた。
「ピースケさんはどちらまで?」
「僕ですか・・。どこにしようかな?」

私は行く先を決めていなかった。これからどこへ向かおうかな?

走り去るお二人の後姿を見送った。またどこか出会いましょう。
俺はまた一人になった。



                                       

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