第24回  そして、日本最東端へ

どうして北の大陸はどれをみてもこんなに美しいのだろう。
当たり前のようでいて、その理由がわからない事実を今考えている。
               
                              トーサムポロ沼

だって、道の端の何気ない沼でさえこの色をたたえているのだから。  


だんだん体が熱くなってきたのがわかる。晴れているからではない。
もうすぐ最東端に着くのだという、その絶対的な事実が旅人としての俺の琴線を刺激しているからだ。
どうして旅人は端っこを目指すのだろう。理由などどうでもいい。
大切なのは私が今そこへ向かっている事実。

幾台もの観光バスが私を追い抜いていく。
私は30キロの荷物をぶら下げたチャリをこいでいく。
そして一匹の狐に追い抜かされた。
ぬお?狐?

まあよい。ここは北海道なのだから。



向こうに展望台が見えた。あれが何かは言わずもがなである。



その場所に近づくにつれてなぜだか騒がしくなってきた。
やはり団体様がいるのだろうか?


これまで日本最東西南北のうち、西南北はすでに訪れていた。
残るがこの最東端だったのだ。


最後の端っこはこんな様相だった。



           日本最東端、到達!!


おめでとう、俺!


さあ、次へ行こう!


いや・・・・・・、



ちがう!ここじゃない!
俺のセンサーが感じていた。
崖の位置があまりに途中なのだ。もっと先がある気がする。
念のためポケットからコンパスを出して確認した。
やはり東はもっと先を示していた。



向こうに灯台が見える。あそこが目指す地な気がしてきた。
そう思い、チャリを走らせようとしたとき向こうから二台のバイクがやってきた。
バイクには詳しくないがこのナンバーに目が留まった
「和泉」ナンバーだ。

おお、日本中にその名をとどろかせる「和泉」ナンバー。
割り込みは必需。後ろにつかれると煽られる。近づくのはタブーなナンバーだ。
さあ、早く逃げるのだ!


ではなく、私の口から出た言葉。「懐かしい・・。」
すいませんねえ、僕にとって「和泉」ナンバーの土地はふるさとなんっす。

数日ではあるのだが、やはり故郷を離れていることを「和泉」ナンバーにより実感した。
思わず声をかけた。
お二人のライダーは大阪出身で京都在住の方であった。
旅人同士の親近感を持って話ができることも多いが、そうでないことも実は多い。
旅先で話しかけられることを好まない人も少なからずいることを、私はわずかな経験から知っていた。
だが、今回はそんな心配は要らなかった。思いっきり関西人同士のトークができ、そして別れた。




いよいよ最東端である。
一本の灯台が見えた(この数え方であってるのだろうか?視覚的には灯台は一本である)。
だが建物が端っこだとはおもわない。
灯台の横にロープが張られてあり、その奥には崖が見えた。

どうするか。決まっている。


こうするのだ。




  






                                     

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