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捜せ!の遊園地

          第2回



                      
 
 
------------出発------------


猛烈な道だった。かつて遊園地にいたる道路だったとは思えない。
そんな道を3人の勇敢な男たちは今歩いている。

「これって道っていうんやろうか?」誰かが言った。
「いや、それ以前に遊園地にたどり着くんやろうか・・?」






話は1時間前にさかのぼる。


遠目からもその観覧車はゆっくりと回っているのがわかった。
それにしてもどうしてあんなところに遊園地を作ったのだろう。

                          
今連中がいるところと、向こうに見えている観覧車までは巨大な私有地と山岳が陣取っている。
正面突破は無理だ。迂回しなければだめだろう。

車を走らせ少しでも遊園地に近いと思われるところへ行く。
「この道は?」1号が言った。たしかに林道が延びている。
「これは・・・・・。かつてはあの遊園地へのルートだったに違いない。」2号が自信たっぷりに言った。
「俺もそうおもう。」3号も言った。
またも満場一致でこの道が遊園地への正式ルートだと決まった。

迷わず足を踏み入れる。




そして前述の写真の道へとお話はつながる。



「あのさー、これって絶対に違うよな。」
「これが遊園地へ続いてるとは思われへん。」
みんな全身汗びっしょりだった。脚がつり始めていた。


「でも、方向は間違ってないよな。」
「うん、絶対にあってるはず、と思われるよ。」

行けどもいけども深い山が生まれてくる。


でも不思議なことに誰も「帰ろう」とは言わなかった。
みんなあの観覧車に導かれているようだった。
距離にすればおそらくは3キロほどだろう。山道、いや道すらない山中を3キロ歩く困難さを、
彼らは誰も知らなかった。


------------彷徨------------
                                                     

どこまでいっても景色は変わらなかった。いや、正確にはより緑が濃くなり見通しが悪くなってきた。
「水ある?」
「やばい、おれあと1センチ。」
「俺はまだある、5センチほど。」
「俺は最初からもってきてないわ。」
合計6センチの水をみんなで分け合った。


今進んでいるルートがあっているかどうか、それすらも考えられなかった。
ただ帰還するときに迷うのが怖くて木に目印を結びつけたりした。



歩き出して2時間が経過・・・・・。

景色は・・・・・・・・



まったく変わっていない。加えるならば、なんか傾斜がきつくなってきた気がする。
素人がどんどん山の上へと導かれていた。

でも、


帰ろうとは誰も言わなかった。


「もうそろそろ遊園地につく気がする。」3号が言った。
「俺もそんな気がする。」



遊園地・・・?


------------やがて崖------------

「危ない!」誰かが叫んだ。
「ほら、そこ、崖になってる!」上の写真のすぐ向こう側だ。
枝がひときわ密集している箇所を無理に潜り抜けようとしていた1号の数センチ向こうが断崖になっていることを、誰かが気づいたのだ。

「うわ、これで行き止まりか・・・・・。」さすがにあきらめの気持ちがわいてきた。
「戻るしかないか・・。」
「それもありかも?とりあえず道しるべはくくりつけてるから道に迷うことはなさそうやし。」


「あ、まって、あれは道ちゃうか?」
確かに崖の下には小さな林道らしきものがあった。枝と枝の間からちらと見えたのだ。

「もしかしたら、あれが・・・。」
「そうや、あれが遊園地につながるルートや!」まったく根拠はないのだが、このとき3人は確信を持ってそれを感じていた。

そしてとるべき行動はひとつだった。


を降りる!




      






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