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 黒部ダム、雨男、牛乳カップ麺を
 日本一周に捧ぐ  「NIPPON GURURIN PLAN!」によせて

                                                第5回 





まったくの不意打ちだった。



朝の六時前に「起きろ」といわれれば野宿をしているものはやはり身構えてしまう。」


野宿を体験した方にお聞きしたい。
それは道の駅でも講演でも、空き地でも川原でもどこでもいいのだが、
「こんなところで寝ていて怒られたらどうしよう。」と不安に思ったりしないだろうか。
私はいつも考えてしまう。
6時前に人の声がしたとき、てっきり管理人が来たのかと思った。

テントのファスナーを開けてみた。管理人・・・・・・・・・・・・?
若い兄ちゃんがカメラを構えて犬猫馬さんのテントを覗き込んでいる。
富山の道の駅の管理人はカメラが好きなのだろうか。



・・・なわけがないのだ。

カメラの兄さんは犬猫馬さんの実兄ToToさんだったのだ。
そういえば今日東京から登山のために来ると言う話しだった。が、早朝の鈍った私の頭ではその記憶はうずもれていた。

これで旅のメンバーは4人。なりすけさんの交友の広さがここへきて実感された。


昨日は日本100名山に登ったが、今日はその倍の200名山のひとつに登る。
名前の由来が気になる戸隠山である。



気になるのは天候である。超雨男の犬猫馬さんの兄だぞ、兄。
っつうことは年齢の分さらにレイニーパワーがあるのではないだろうか。
とおもいきや、「60回を越える登山で雨具を使ったのは1回ですよ。」
おお、食堂!もといメシヤ!晴れ男だったのだ。

なんとうらやましい響きなのだろう。
「晴れ男」。
おそらくは私がいくら努力してもなれないだろう境遇に身をはせたTotoさんがまぶしく見えた。

    
ちなみにこの瞬間、空の色はこうであった。
どっちが勝っているのだろう?


               
勝負の始まりである。
          


目の前に戸隠山がそびえる。みんな登山靴をはき、準備万端である。
   
駐車場から登山道まで美しい自然が続いていた。


近畿を離れたとたんに、ひどく心を打たれることがある。
それは各地方の川の美しさである。
道の端を流れる川ですら、「清流」と呼びたくなるものが多いのだ。
逆に近畿地方で「清流」をさがすのはむずかしい。

そんな中部地方では「よくあるありふれた光景」をみながら私たちは歩いた。




やがてお社の山門が現れた。



屋根に大量の草が生えている。
この時「日暮巡査の部屋」が浮かんだ。(すいません、わかる人だけわかる話です。)


ここからが戸隠山の領域となる。ゆこう。


  
                      コラム

  
この出発式の写真、奇しくも背の順となってしまった。

  最も長身なのが左端の犬猫馬さん、その隣がTotoさん、

  さり気にピースをしているのがなりすけさんで、一番右端にいるのがピースケである。

  なりすけさんと私は体型がほぼ同じはずなのだが、

  こうしてみると、どうも私のほうが小さく見えるんだな・・・。真偽はどうなのだろう。

  実はNGPメンバーの中で成長期のdan君を除いて、私となりすけさんは最小を争う関係である。

  どうでもいいことのようにかんじられる方もあるだろう。

  ところがどっこい小さい人間のカテゴリーには、
 
  その中でさらに熾烈な比較関係が存在していたりするのだ。

  余裕がないだけに余計深刻だったりする。



  
学校の組替えの時、

  「前にならえをするとき、腰に手を当てるのが自分ではありませんように」

  と4月8日に祈る、ちびっ子の気持ち、あなたにわかるだろうか。


  



道を彩る緑はさらに色濃くなる。
どこかでヒグラシが鳴いていた。



おなじヒグラシでも「日暮」と「蜩」は別のものだ。


そうか、もう蜩がないてるのか・・・。


あなたは子どものころ、あの「カナカナカナカナ・・・・・・」

という鳴き声を聞いて「夏休みの終わり」を

心にうかべたりはしなかっただろうか。



蜩(ヒグラシ=セミの一種)は8月の終わりに鳴き出し、子どもたちはその声と共に残っている宿題を思い出して泣き出すのだ。


この夏は充実していた。
遍路を結願させ、その数日後にはこの北陸の旅へ出ている。
こんな大きな旅がひと夏に集中していた。その分、夏の終わりにはどんな落胆が待っているのだろう。
ヒグラシの鳴き声はその前兆にも思えた。





それにしても、みなさんの写真の好きさには脱帽である。
この時私以外の全員が一眼を持ち、目に映るものへ心をはせ、ものすごい数の撮影をしていたのだ。
 

「もうすぐ登山道ですね。」私は犬猫馬さんへ話しかけた。
その刹那・・・・・・・・・・・・・・・・・・・








ナニがやってきた・・・・・・・。












もうみなさんはおわかりですね。






そう、








お約束の・・・・・・・・・・・・・・











が来たのである。




うっかり雨男が雨男へ話しかけてしまった・・・・・・。







そしてみなさんおまちかねの








あわてて木の下へ逃げ込んだ。
             

「雨男」などといった発想は偶然を結び付けているに過ぎないとお思いだろう。
かく言う私もそう思っていた。正直、ネタの範囲だと思っていた。
だが、犬猫馬さんと行動を共にしていると、どうしても「ネタ」や「偶然」ではすまされない確立での降水を経験するのだ。

そして、真の雨男は雨を降らせるだけでは終らない。

何かをしようとすると雨が降り、
雨によりそれをあきらめて帰ると晴天が広がるのだ。




登山道へついたとき、土砂降りだった。
4人で協議する。
登山をしたいのは山々だが、さすがに危険すぎる。
残念だが戸隠登山はあきらめて、おいしいそばでも食べよう。

そう話し合いもとの道へ戻ったとたん、                                             


木漏れ日が目にまぶしい。



お約束過ぎて笑えない・・・。


             



でもだ、これでいいのだ。
楽しきかな、旅人生。




 
戸隠山のふもとに鏡池という美しい池がある。
山を反射して二重の山に見えるそうだ。

みんな、迷わず撮影会モードに突入する。
私も負けじと二眼レフで撮影する。
でもやっぱり一眼、うらやましいなあ・・。ほしいなあ・・・。

とりあえずこのコンパクトカメラの写真、どうっすか?
  


すでに時間は私の嫌いな「午後」にさしかかっていた。
                      



登山という目標を失してもそれで凹む我々ではない。
この地の名産のそばを食べるのだ。

この地は労せずとも蕎麦屋を見つけることができる。
名産だそうだ。
                
そしてみんなで検討して入った蕎麦屋の天ぷらそば。

一口食べて驚いた。味が、大阪とは全然違う。
出汁の味がそばのそれではない。

日本中を旅した犬猫馬さん曰く

「そばは都道府県で全部味が違うんですよ。」

この彼の一言は衝撃であった。
うどんの東西での味の差はよく論じられる。だが、そばはさらに都道府県ごとに違うそうだ。
日常、私はそばを食べることはほとんどない。
麺類といえばうどんだ。

でもどこかの線を境に麺類の首座が

うどんからそばに切り替わるらしい。

いつかその一線をみつけたい。



そんなテーマの旅も面白いだろうな。





知らない間にまた太陽が私に断りもなく、夕日に化けていた。
もう一日が終わったのか。

こんなに早く時間がたつのが無念でならない。
でもそれでも今は旅の最中だ。だからその貴重な一瞬を切り取ろう。
夕日をバックに4人の男は写真を撮った。
     
        これが今回の旅で一番気に入っている写真。
          でも奇しくもまた背の順・・・。



いろんな思いを胸に、私たちは一路ふもとへとむかった。

                

              

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