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 黒部ダム、雨男、牛乳カップ麺を
 日本一周に捧ぐ  「NIPPON GURURIN PLAN!」によせて

                                                第6回 

車の窓越しに信州の美しい山村が見える。
雨男の招きいれた雲もさすがに力尽きたようで、その隙間から一条の光が差し込んできていた。
ただしその光は強烈なものではなく、すでに秋の表情をした優しいものだった。

    

8月も15日を過ぎると日が短くなるのだ。この時点で夏至よりも秋分の日のほうが近い。また胸が痛くなってきた。
すでに5時半を回っている。
さっき目が覚めたところなのにな・・。
仕事中は早く夜になれ!と思うのだが、充実した時間をすごしている場合は日が暮れるというのはほとんど災厄である。

また夜が来る。
旅の終わりを宣告する夜が来る。



さらにメンバーが増えた。
駅であじゅさんと合流する。なりすけさんの交友の広さは脅威だ。
あじゅさんは自転車遍路を終えたところだった。
「ピースケさんですね。HPみていますよ。」と言ってくださった。

         コラム

  でへへへへ、ぶっちゃけ、この言葉ってうれしいのだ。

  自分の人間性の狭さを公表するのってはばかられるが、勢いでかいてしまう。

  例えば旅の途中で「いつもHPをみています」と言われるとなんか自分がすごいことをしていると

  つい思い込んでしまい、死ぬほどうれしかったりするのだ。

  実際はHPをつくっているだけですごくもなんともないんだろうけど、

  誰かの一言で踊るぐらい喜ぶ私は根本的に人間が小
さいのだろう。



この人数では野宿は大変である。奮発してバンガローをかりることにした。
なりすけさんが電話した1軒目、満室らしい。ほよよ、みんなすごいね。
地図を頼りに私が電話した2軒目は優しそうなおばあさんがでて「どうぞ、どうぞ。」ということだった。


実に貫禄あるバンガローだった。バンガローとお呼びできるのかな、これは。
田んぼの横に立ってるほうがマッチしそうだ。でもこれもおもしろい。楽しきかな、旅人生。
          
さらにだ。また一人加わった。今度はむ〜んさんである。長野県在住とのことだ。
これで全部で何人だろう。たくさんなのだ、たくさん。


すぐ目の前が湖だった。一応湖畔のバンガローである。



近くの温泉へ出かけた。500円という廉価がうれしい。
風呂に入りながらなりすけさんがこういった。
「晩飯どうしましょう。」
「そうっすね。」
「人数が増えてきたから、みんなの希望を大切にしたいんですよね。」
やはり深いところまで考えている人だな、そうおもった。




もう真っ暗だ。

バンガローの外の炊事場で食事の準備をする。炊事場といっても朽ちた板張りのものだ。
「はい、これをつかってください。」
なりすけさんはかばんのなかから包丁やら、まな板やらを次々と出してくる。
さすが1年3ヶ月も旅をしているだけのことはある。それにしてもすごすぎるよ。

みんなで仕込みをする。




上には裸電球がぶら下がっている。

懐かしい色の灯火は私たちだけを照らしていた。

他の明かりは湖の向こうにある。

街灯の光はここまでは届かない。

辺りの木々は薄暗い中にぼんやりと見えるだけの存在であった。

それがなおいっそうこの私たちの空間だけを明るく幸せな雰囲気にしていた。



                   



              

話は遍路の話になった。
お遍路経験者が4人もいる。人が6人いてうち4人がお遍路をしているのって特異であろう。
犬猫馬さんは全部の寺の名前をいえるそうな。私は半分ぐらいだろうか。


何年もたっているのだが、なぜか予備校の話になった。
Totoさんと私は同じ先生に習っていた。私が人生でもっとも好きな古文の先生だった。


私たちの話し声のほかは音がしない。静かな湖畔の農作業小屋、いやバンガローだった。
初めて会った人たちなのに、まるで少年時代に共に冒険をした仲間のように気持ちを重ねあっていった。
目の前を一匹のカミキリムシが飛んでいる。追い出したりせず仲間に加えた。




寝るのが好きな私はおそらく一番最初に寝てしまったようだ。
これが一番の私の悩みなのだ。
みんなが盛り上がっていても、もう我慢できずに寝てしまう。
学生時代の合宿でもそうだ。もっとみんなと騒ぎたいのに無理なんだなあ・・。

他の皆さんは3時ぐらいまで起きていたらしい。いいなあ・・・。


で、今何時?
え?5時?
なんで目が覚めたんだろう?

みると新しい人が到着していた。こんな時間にどうやってここまで来たのか知りたかったが、寝ぼけた頭では言葉が出なかった。

旅の仲間が7人になった。
どうぞよろしく、のずさん。
そののずさんの第一声がこれだった。「えっと、うわさのピースケさんですか。」




太陽こそ見えていないが、湖に朝が訪れていた。
昨日の夜の涼しさを保ったままの空気が窓から入ってきた。
昨日、私たちの語りに参加していたカミキリ君は窓から飛び出していった。
   





朝食が、これまた・・・・・・・・もはや定番となった・・・・・・・・

牛乳カップ麺である。負けました。ここまで徹底しているとは。
                
この写真のカップめんのすべてに温められた牛乳が入っている!



経験すること全てが面白いまま、今日の目的地へ出かけた。
富山といえば・・・・・・?
中島みゆきの・・・・・・、紅白の・・・・・・プロジェクトXの・・・・・・・・、
人類の英知を結集したかの地である。


                 

                                          

               

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