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 自由と決別するとき 僕らの最後の冒険
       地図を持たずに、適当に、いつまでも、どこまでも
                            後編 の Part2 の 



「それにしても、本当にここはどこなんやろ?」
出発してから地図を一度も見ていない。
「さあ、大阪でないことは確かやな。でも、こんなの、楽しいやん。」
「ほんまや、ずっとこうして適当にどこまでも生きていきたいよな、いつまでも・・・。」


いつの間にか、辺りに見えていた民家が姿を消していた。
太陽も姿を消していた。


車もいつの間にかまた昨日の夜さまよっていたような山の中に入っていった。
山道は蛇行を続けている。いったい何のためにこんな道があるのだろう。
そんな疑問が湧いてきた。あなたも考えたことはないだろうか。
山の奥の奥のずっと奥にまで道があることの意味を。

さすがにこれでは意味がない。
それに、これも我々のこだわりなのだが時計すら見ていなかったが、
さすがに随分遅くなった気がする。
せっかく中途採用を決めた一樹は初日から遅刻するわけにもいくまい。


「あのさ、言いにくいけどさすがに帰ろうや。」
誰かが言った。
全員が同意した。
もう我々の子ども時代は終わりだ。

転回場所を探して山道を少しだけ行く。



        ん?


灯りが見える。数十メートル向こうに何かがあるようだ。



民家だろうか。それにしては明かりが強い。
車が近づくにつれてその正体が分かってきた。


駅だ。こんな山奥にも駅はあるのだ。

駅に興味があるわけではないのだが、車を降りて駅に近づいてみた。
駅名を見て驚いた。
「××駅」
こんなところまできていたのだ。出発して40時間以上たって
ようやく自分たちの居場所を確認できた。



「もう終電も行ったころやろうな。」
3人は駅に入ってみた。もちろん無人だ。

「こんな山奥にも駅はあるねんな。」
別になにに興味を持つまでもなく、しばらくホームにたたずんでいた。
後ろの草むらから虫の声がする。それは夏の虫ではなく初秋の生き物の声だった。

「なあ、最後にマジでバカやらへん?」
「どんなこと?」

線路に降りてみようや。」

「怒られへんかな?」
「いや、怒られる以前に危ないやんけ。」
一樹はホームの時刻表を見にいった。
「うわ、本数すくな。」
そういいながら戻ってきた。
「終電も早いわ。10時半や。」
「それなら大丈夫やな。降りるか!俺らの子ども時代の最後を祝して。」
言うが早いか洋一はホームに飛び降りた。
ホームに下りることが子ども時代の最後を祝すことになるかは知らない。
だが、私も喜んで飛び降りた。



実に新鮮な光景だった。わずか1メートルほど下の世界。



近くて遠い線路の上の景色であった。
すぐ横に鉄道標識がある。





                     




「なんかすごいなあ。」
「うん。おもろい。そうや、あれやろうぜ、あれ。」
「何をやるん?やっぱり線路の上を歩くときはこうしないと。」
洋一はそういうとこんなことをしだした。




             

右端で線路に耳を当てているのが洋一である。二度と得られる青春の1ページを切りとった写真。






あれ?振動が聴こえる。」洋一が線路に頭を耳を押し付けたまま言った。
「まじ!?逃げよう!・・・・・・・・・・・・ってウソつくなよ。漫画じゃあるまいし。」
「ははは、ばれた?もう一枚記念写真とろうよ。あそこにトンネルが見えるからその前で撮りたい。」



彼はそういいながら、顔を上げようとした。
その時・・・・・・・・・・






「ん?」










「振動が聴こえる。」
















「あほか、同じギャグを繰り返すなって。」







「いや・・・・・・・・・・・まじ!マジ!マジ!!!ギャグちゃう!































ものすごい地響きがした。


その直後、猛烈な光が私たちを照らした。


それと同時に列車のクラクションの音が


鼓膜を突き破るかのごとく鳴り渡った。

















おかしい、終電は通り過ぎたはずではないか・・・・・・・・・・・・



・・・・・・・・・・・・・・などと考えている場合では

ないっつーの。




数十メートル先に列車が来ている!







他の二人が転げ上がるようにホームに上ったのがみえた。


私もカメラを抱えて上ろうとした。




うまく上がれない!







私は背が低かった!





二人が腕を引っ張ってくれた。

数秒後、私は安全なホームにいた。

助かった。

右腕から血が出るのが見えた。
げ、気持ち悪い。





が、もっと気持ち悪いものが見えた。




頭の中に新聞の題字が浮かんだ。















線路上に私のカメラの三脚が

置きっぱなしにされている!





後編のPart2の下、おわり



                           後編Part2続編に続く・・・・・・・・・本当にすいません

          

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