捜せ!幻の遊園地
最終回
------------奇妙な家---------------
なぜかこの部屋だけはしんと静まり返っていた。
敵はさっきの一人だけのようだ。
彼らは息を殺して進む。
じめじめとした畳の感触が気持ち悪い。
歩き続けた。
↓
「これはなんだ?」
上へと続く階段だ。
正確に言うとはしごに近い。
「気をつけて上れ。」
「そうや、木が腐ってるかも。」
「いや、ちがう。敵がいるかもしれないから。」
「・・・・・・・まだそれにこだわってるんかい。」
↓
上には小さな部屋があった。
中はがらんどうだった。
「な、敵なんておらんやろ?」
「・・・・・・・・あ!さらに上に行く階段が。」
「ほんまや、どこまで上にいけるねん。」
「そうか・・・・・。敵はあそこや。」
「はいはい、そうだね。」
↓
確かにこの建物は奇妙だった。縦横に通路があり、部屋の高さもやたらと低かったりする。
そして俺たちは階段を上がった。
↓
最上部と思われるところに出た。
床がすのこ状になっており、下の部屋がのぞけるのだ。
「そうか、わかった!」
「何が?」
「上から俺たちの姿を見ていた敵が、恐れをなして逃げ出したにちがいない。だから・・。」
「だから?」
「敵がいないねん。」
「はいはい、そうだね。」
↓
一気に下に下りたとき壁の空洞に気づいた。
ここに掛け軸がかかり、壁の向こうから様子をうかがっていたのだろう。
さすがは忍者のいた土地である。
------------再び悲しみを---------------
外に出たとき、
さらに残骸が見えた。
足元にはさび付いたレールがあり、そのレールをたどるとこれまたこんなものが。
観覧車は望まずとも、動くことができた。
しかしこの列車はもうずっとこのままなのだ。
後ろの車両も。
さらには背後のこの花たちも。
ここへ来てよかったのだろうか。やはり彼らは招かれざる客だったのかもしれない。
胸が痛くなってきた。
ギギギギギ!
ん?なんだ、この音は?
わお!?
------------別れ---------------
もう見尽くした感がある。
何より日が暮れてきた。帰路はあの山道なのだ。
「もう、二度とくることはないよな。」
「うん、俺たちはよくやった・・。」
最後にもう一度観覧車の下に来た。
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この音を聞くことももうないだろう。
下山を始めた彼らを幽鬼はじっと見下ろしていた。
永久にさようなら、幻の遊園地よ。
捜せ!幻の遊園地 完
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バカは一生なおらない。
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