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                                    屋久島へ・・・・・

                 

第11回     下山編


降りなければいけないのに、なぜか登っている。
屋久島に行ったことのある方なら、そして縄文杉登山をしたことのある方ならお分かりだろうが、今私たちは宮之浦岳という九州随一の山の中にいるのだ。(現在地)


そんな素敵な山にいるのだ。このまま帰れるものか。
どんどん山を登るのだ。そうだ、俺たちは若い。普通は5時間近くかかる帰り道を半分で降りれば、多少寄り道をしても大丈夫なはずだ。




かくして我々は登り始めた。


次第に視界が悪くなっていく・・・・・・。
なにこれ?
空気が白い・・・・・・・・・・・。

どうやら霧が出てきたようだ。

山の中で霧に遭遇するとは、なんだか恐ろしい。
だが、霧の中の原生林がなんとも魅力的なのだ。
これまでの中でも最も美しい光景となっているではないか。



これは素人の私がコンパクトカメラで撮った写真だ。それでもこれほどまでに魅惑的に写せる。

存在自体が美しい屋久島よ。
どうぞこのままかわらないでいてほしい。
愛しき命ある屋久島よ、時代に取り残されていておくれ!
なぜなら、あなた以外の日本はどんどん汚れていっているのだ。
この「先進国」に原生林がどれほど残っているというのだ。
緑濃き国といわれた島国もいまや灰色と化している。
他の自然たちは罪なくして滅びようとしているのだ。






その責任の一端となっている自分をものろいつつ、
たぎる熱湯のごとき屋久島への想いがなおもわいてくるのが分かる。

初めて訪れた屋久島への賛歌が次々と心からわいてきてはどこかへ消えていった。

残るは、霧にむせぶ白い空気とどんなに濃い霧がたとうとも消え果ることない緑色をした屋久杉たちがそこにあった。



何気なくシャッターを押してもやはり美しい景色がとれてしまう。
ある意味、存在自体が奇跡な森である。


とはいえ、時間は有史以来の同じスピードで流れている。
宮之浦岳の山頂はむりであった。
ここからふもとへ向けて降りねばならない。




また縄文杉のところまで降りてきた。



前方に何かが動いている。人間以外の動物・・・・・・・。


あ・・・・・・・・・・・・・・。






出会えた。目の前で見ることが出来た。





その尊き生き物は森の中から現れ、森の中へ消えていった。


写真の左上に鹿のお尻がみえている。
記念すべきヤクシカとのツーショットであった。






不意に雨が降り始めた。
いそがねば。屋久島では雨は毎日のことだが、山の中ではやはり遭遇したくはない。

いつの間にか4時を回っている。

   

8月といえど、もう半ばを過ぎようとしている。
一日よ終わるな。
時間がたてば、私は灰色の街へ吸い込まれてしまうのだ。

だが、昼間の太陽はもうすぐ「夕日」へ改名する準備を始めていた。

「休みの日の一日は短いな・・・・・。」Mは誰に言うともなくつぶやいていた。

                                           
          

屋久島への旅 目次
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