黒部ダム、雨男、牛乳カップ麺を
日本一周に捧ぐ 「NIPPON GURURIN PLAN!」によせて
最終回
バンガローのすぐ横に一輪の彼岸花があった。これは群生するのが普通なのだが、なぜか一本だけそこにあった。まだ深い紅のつぼみだ。これが大きく開くころ、NIPPON GURURIN PLAN!も終わるのだろう。
昨夜なりすけ氏はあと一ヶ月でゴールだといっていた。
みんなで向かった先は姫川源流である。
この「源流」ってなんか魅力的だ。
きれいな川を見ていてふと思うことがある。この川はどこから生まれるのだろうと。
特に四万十川の源流には興味がある。
こんな美しい場所ではGURURIN camera teamがじっとしているわけがない。
みんな思い思いの写真を撮った。
私も必死で撮った。下手だけど。
突然ですが・・・・・ピースケの写真館 下っ手〜! |
ここでTOTOさんとはお別れである。彼はさらに彼の旅を続けるのだ。
車で行ってしまった。
3日間ありがとう。またどこかで会いましょう。
5人になった。
最後の目的地は「わさび農園」。
そこで食べた今回の旅最後の食事がこれだった。
5日間の旅もこれで終わりを迎える。
のずさん、あじゅさんもここでそれぞれの家へ向かった。
そしてなりすけさんは、む〜んさんの家を経た後、またGURURINの続きに出るのだ。
新幹線はあっという間に私を信州からさらっていった。
夕もやの中に位置していた駅は見る見る小さくなり、やがて他の全ての灯火と区別がつかなくなった。
車窓からは暗い空間しか見えない。時折名前も知らない街のネオンが、火花のようにスパークするのが見えた。
この5日間は素晴らしかった。月並みだけど、そうおもった。
翌日・・・・・。
朝、いろんなことを思い出しながら牛乳カップ麺をつくった。
まずかった。死ぬほど。
材料も作り方も同じだったのに。
やはり旅で「みんな」がいるからこそ「美味」だったのだろう。
しかし、この時感じたまずさが、逆に旅でのおいしさは本物だと証明している気もする。
だから、なりすけ氏には何のお返しもできなかったが、一人まずい牛乳カップ麺を大阪で味わったという事実をGURURINに捧げる。
不「美味」な麺を食べながら、ふとベランダに眼がいった。
旅立つ前に満開だった朝顔はどれぐらい咲いているだろう。
ほとんどの花がしおれていた。
たった5日だがこの夏の猛暑の下では、花にとって枯れるに十分な時間だった。
事前にやったたっぷりの水も持たなかったようだ。
でも、それでもいいいとおもった。
花もいつかは枯れてしまう。
だが、花はいつか色をなくすからこそ今が美しいのであり、
そうでなければ命を持たぬ造花にすぎない。
今回の私の旅もそうだ。
こうして終ったからこそ、振り返り、懐かしみ、
次の日々に生かすことができる。
その意味でもGURURINは偉大である。
限りある時間を膨大なの経験と出会いに替えているのだ。
なんと素晴らしい時間のつかい方だろう。
終わりがあろうとも、そこで得た出会いを含めた全てのことは、
人々の中に無形の記憶と経験としてとこしえに続くのだ。
昨夜、薄暗い電球の下で語り合ったときなりすけ氏は
「旅に出てよかった。それはみんなに会えたからだ。」といっていた。
これだけの人が集まるのはGURURINと出会えた人が、
そこからそれぞれのものを学んだからに違いない。
いろんな旅の本を読み、いろんな人に出会ってきた私は今思う。
本当の旅人とは誰かに何かを与えている人だと。
人に思い出を与えている人だと。
なりすけさん、あなたこそ
「与え」つづけている
「旅人」そのものであった。
ありがとう
完
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