俺の頭上で輝け!南十字星
日本最南端への旅
第20回 もうすぐ日本最南端
この地に
日本最南端のこの空間に、
立ちたいと思ったのはいつのことだったろう。
言葉で人に説明できないくらいに奥は深く、
しかし当たり前のようにすでに私の心にはその岬が居座っていた。
日本のあちこちを旅しながらも、いつかは自分は日本最南端に立つのだという必然のような感覚がいつも心のどこかに居座っていた。
そして今、その島に俺は来ている。
この旅の道中、幾度か最南端はどうでもいいのではないかという意識にもとらわれた。
でも、初心は消え果ることなく私を引き寄せてこの道に導いてきた。
俺の前には一本の道がある。
島に着き、宿にすぐ荷物を置くと吸い寄せられるように、最南端へ向かい、この道にたどり着いた。
これを行くと日本最南端に立てるのだ。
こんなのが見えた。
「最南端」を初めて文字でみた。
もうすぐだ。
道は徐々に狭くなる。
心臓の音が聞こえる。
これは本当に俺の心臓の音だろうか。
それとも風の声だろうか。
進み続けた俺の前に・・・
ふんぎゃ!!
なんで君がいるねん。
ここはインドじゃないよ。
牛くん、一緒に最南端へ行こうよ。
あ、いなくなっちゃった・・・。
風の声と合わさって、波の声が聞こえてきた。
もうすぐだ、もうすぐ、だって道が途切れているから。
その先がないということだ。
アスファルトの道がなくなり、砂の道となった。
すぐそこにあるのだろうか。
足元には芝生の間を縫うように石を積み上げた道があった。
それは俺をおそらくは聖地へと導いてくれるのだろう。
歩こう。
☆その時の様子を動画にとった。(←クリックしてください)☆
そしてこれが俺を待っていてくれた。
このお話の目次
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