俺の頭上で輝け!南十字星 

日本最南端への旅



 第18回   旅人として別れ、竹富島へ 



まだ真っ暗だ。

でも僕らは起き出した。



昨日どんぐりと山猫で話していたとき、朝陽を見にいこうということになったのだ。








西の果ての島の東の端に来た。



さすがに寒い。




待った。



待った。




               
               海風がきついから風をよけている。





空が白んできて全体の様子が分かった。

雲に覆われている。


また太陽は見えなかった。



宿に戻ると彼が起きて待っていた。


みんなで朝ごはん。



一個パンがなくなっていたと思ったら、猫くんがベッドの下で食べていらっしゃった。




KAN氏はダイビングに出かけた。
彼とはこれでお別れである。


もっときちんとお別れを言いたかったけど、夜とちがい朝のお別れというのはあわただしくて、十分な惜別の言葉をかけることができなかったのが悔やまれる。






そして気づけば私もこの島を去る時間が来た。


僕らは最後の写真を撮った。

                
              AKI氏 ピースケ おかあさん KAZ氏 T君 Sさん

この家の息子T君ともお別れ。

左がT君、右はお友達。




ここへ次に戻るときにも必ずどなん地球遊人に泊まりたい。
(実はこの夢は永久にかなわぬものとなった。理由は後日記す)。





そしてどなん地球遊人とお別れをする。




年越しをするためにこの島に残るKAZ氏の車で、私とAKI氏は空港まで送ってもらった。

途中、アヤミハビル館に行きたくて車を走らせたがみつからなかった。
あれはどこにあったのだろう。







実は昨夜のみながら、私とAKI氏は竹富島へ行くことにした。

本当は石垣島へ行く予定だったのだが、彼の話を聞いて突然竹富島に魅力を感じたのだ。
したがってKAZ氏一人が与那国に残るのである。


カウンターを出るとき、握手をした。
やば、泣きそう・・。



さようなら、与那国島!


こんなに想い出を与えてくれた島は他にない。


そして、管制塔の下からKAZ氏が手を振ってきた。                                           
  


こちらもライトで照らし返す。




さらに泣きそうになる。







でも、





いつか必ず会えると信じて、





旅人同士が旅人として、





旅人らしくお別れをした。













竹富島は石垣島のすぐ前にある。




かなり観光的な印象があったが、由布島と違い人々が生活をする離島である。



   
このように、砂の道と低い石垣、そして赤い屋根で統一されている。



そしてソーキそばを食べようと思ったが、早くも売り切れで普通のそば。
      


店を出たとき、観光客を乗せた牛がゆっくりと横切っていた。

もはや団体様への嫌悪感もなくなっていた。




見晴らしの丘がある。






AKI氏に写真を撮ってもらう。


こうしてみると低く見えるが、
上から写真を撮ると島全体が見渡せる。それだけ平坦な島なのだ。





高いところから見下ろしてみると人の姿がほとんどない。

ふと幻に団体様が見えたが、すぐにきえた。




こうして小さな島を見下ろしてみたとき、いったい私はどうしてここまできたのだろうという思いが浮かんできた。

本来の目的は最南端に立つことだった。

でも、この日まですでに多くの思い出と出会いを与えていただいてきた。
正直に言うとこれで旅を終わらせたいとすら思った。

ここで終われば、この日までの想い出が薄れることなく一生僕の心に残るのだ。



もっと正直に言うと


日本最南端などどうでもよくなっていた








だが、一つだけこだわりがあった。

南十字星!

不思議とこの星には吸い寄せられていた。

行こう、あと一日だ。


塔を降りる瞬間に向こう側に誰かが歩いているのがみえた。
あの人たちはどこへ行くのだろう。


いろんな想念をめぐらせていたが、塔を降りたとき数十秒しかたっていないことに気づいた。






海岸へ出た。

夏場ならおカップルなどでごった返すビーチは、
今は静かな海岸であった。






静かな海岸を旅について語りながら歩いたが、
そんな僕らにも別離の瞬間が近づいてきていた。


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