俺の頭上で輝け!南十字星 

日本最南端への旅



 第17回   この瞬間よ、永遠に! 

このダイビングはもちろん今回の旅の中でも忘れがたいすばらしいものになった。

そして、その日の夜はそれにくわえて、私の人生にすばらしい彩を与える体験ができた。

それについて記す。




この島を舞台とした「Dr.コトー診療所」に出てきたという4畳半ビーチを見に行く。
天気は決してよくないが、それでも海の色は透明な光をたたえていた。



ずるずる崩れる足場を頼りにしながら、海辺に下りてみた。

このとき知った言葉に、「ビーチグラス」というのがある。
ガラスの欠片が長い間波に洗われて、いつしか丸く宝石のようになったもののこと。
そんな宝石と珊瑚礁の入り混じった美しく、そして断崖絶壁の与那国に珍しい砂浜で私たちはいろんな珊瑚や石を拾った。
                                                                           
    

そして、普通はすぐに忘れ去られるこの宝石を、2年たった今も私は大切に部屋に飾っている。
それだけ忘れがたき旅だったのである。




お話は一気に夕方以降へ。

今日もまた夕陽を見にいった。





おお、



昨日にもまして・・・・・・





何も見えなかった。







やはり一年に数回しか見られないものを見るのは無理だった。






どなん地球遊人に帰った。



ドアを開けると、もう一人、旅人が増えていた。


静かに寝ているようなので起こさないようにソ〜っと荷物整理をしていたら




「こんばんは!」




うぎゃお!



起こしちゃいましたか。すいません。


「食事、どうされるんですか?」


そういえば、どこへいけばいいかな?






そう思っていると、ダイビングから帰ってきたAki氏も

そしてKAZ氏も口をそろえて言う。



「どんぐりと山猫にいきましょう。」





この宿のご主人が経営している食堂だそうな。

そしてたいそういい雰囲気だそうな。


行くに決まっている。








KAN氏を加えてかくして旅人は4人になった。










どんぐりと山猫に到着。





             
 全員が行きずり同士。


                     




さっき会ったばかりなのに、



私にはどうしても皆が他人とは思えなかった。





みんな違うところからきて







この旅が終わったら
みんな違うところに帰っていくのだが、





でもなんか僕らはみんな同じものを持っている気がした。



そしてどうしてもそれを言葉で説明できない。


                                    
                                 
ちなみに俺の食ったポークとたまご定食。








話はつきなかった。

他に客はなく、小さな小さな店だけど明るいライトが僕らだけを照らし、

それがいっそうこの空間を幸せで神聖なものにしていた。





最初は「仕事が嫌で、二度寝が大好きだな〜」とかいう話になっていたが、

いつしか、そしてやはり話は旅のことに。


KAN氏はタイにもいったことがあるという。そしてインドに今度行くつもりだといっていた。










主人であるオジイもしばらくは一緒に呑んでいた。


オジイの肩をもむKAZ氏。



でもいつしか客である僕らの前で爆睡していらっしゃった。


                      
                            その前で記念写真。









時間は、めちゃ深夜。


僕らは食事が終わった。

でも主人が寝ている。




ううむ・・・・・・。



しょうがない。



かたづけちゃおう!

僕らは必死で自分たちの食べた食器を片付けた。

普通は食後の片付けなど嫌々やる行為だが、このときはありえないくらいテンションが高くなった。








楽しすぎた。









行きずりのもの同士が、信頼しあい、みんなで知らない店の片づけをする。
文字で書くと、不思議な行為みたいだが、


心は幸せを感じていたのだ。









そしてちゃんと食事代も収めた。





お金に関しては心配ない。


現役の公認会計士がいるのだ。


代金を納める公認会計士のAki氏。








楽しくて神聖な瞬間ほど







短く感じる
















最高の瞬間を切り取った一枚。





その瞬く間でしかない時間は終わりを告げ、






もう帰らないといけなかった。

















僕らは宿に戻る。




街はしいんと静まりかえっている。


恐ろしく間隔の広い街灯の下を夏の虫が舞っている。






僕らはその下をなぜかゆっくりと歩いた。









一度会っただけなのに、一生忘れられない出会いは旅先にやはり存在した。




もう二度と会えないかもしれないけど、



忘れない。


忘れない。







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