俺の頭上で輝け!南十字星
日本最南端への道
第6回 拝啓 おカップル殿
滝の上で寝ころがった稀有な体験のあとは
やっぱり滝の下に行きたかった。なんという安直な発想。
でもいってしまった。
滝つぼのそばから見上げる。
たぶん、さっきこのあたりに寝転がっていたんだろうな。
↓
あたらめてみるとやはり高い。
こうして私はピナイサーラの滝に別れを告げた。
またさっきの川に戻る。
西表島はそれほど大きな島ではないのだが、この写真をみると南米の大河のようにすら思えた。
こうして人生初のカヌー体験は終わった。
で、これが俺の悲惨な?カヌーを漕ぐ姿です。初の動画・・。
私は一気にジャングルへ。
山道を歩く。汗がだらだら出る。
耳元を蚊が飛ぶ。
暑い!
一瞬、真夏に遍路道を歩く感覚にとらわれたが、
よく考えたら今は12月なのだ。
なんでこんなところを歩いているのかというと・・・。
向こうのほうに見えてきたものがある。
ジャングルの中に飲み込まれつつあるレンガ造りの建物。
そばへ寄ってみる。
これがみたくてここまで来たのだ。
西表島に残された炭鉱跡。
このコントラストを感じたかった。大自然と古き時代の人の足跡。
競争をしているわけではないのだろうが、どうしても自然の力が強い気がしてしょうがないのだ。
レンガ造りの建物が木の枝に取り込まれていく・・。
うんと奥の奥のほうまで遺跡が続いていた。
気づけば夕刻。
西表島での二日目が終わろうとしている。
げげ!?
時間よとまれ!
そしてもうひとつ気づいたことが・・。
今日は12月24日だった。
ということでいつものセリフ。
日本中のおカップルのみなさん、こんにちは。
そして夜がくるのを心待ちにしておられることでしょう。
豪華レストランで豪華ディナーを食べ、豪華ワインを飲み、
豪華ホテルの豪華テレビで豪華番組を見て、
豪華お風呂に入り豪華トイレでおしっこをするんでしょうなあ、君もあなたも。
俺は
一人スーパーでオリオンビールと、泡盛の請福、そしてやけくそでチキンを買った。
これで一人でキャンプ場で食らうのだ。
お風呂は五右衛門風呂やし、
おしっこもポットン便所でするのだ。
そんなキャンプ場を目指し、俺はおんぼろバイクを走らせた。
すぐにテントには戻らず、そのまま海岸へ走った。
お
お
お
お
お
お
お
!
!
!
豪華ホテルなんか知るか!
そう思わせる光景がそこには。
このお話の目次
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