実況中継中
再び南の大陸へ! 九州自転車暖冬の一人旅
第10回
これで何日鹿児島に滞在しているのだろう。日数などどうでもよくなってきている。
いつか現実に戻るのだろうがそのことは考えまい。
向こうに滝が見える。
丸尾の滝というそうな。
この滝を越えると霧島温泉郷へと入る。街中から湯煙が上がっている。
ここまではのぼりが多かったが、ここからは下るのみだ。
どこかで温泉に入りたいなあ。
ただいま11:00。
下り続けるといくつかの温泉を見つけることができる。
特にここが気に入った。
学校かと思ったが塩浸温泉の施設であった。
もしかしたら本当に学校を改造したのかもしれない。なかがこんな感じなのだ。
350円を払う。温泉は2畳ほどの小さいものだが、次々とお湯があふれてきていた。
鹿児島の温泉ってこんなに恵まれているのだ。
それにここは坂本竜馬が新婚旅行で立ち寄ったところらしい。
よし、風呂も入った。いくで〜!!
ただいま11:22。
とおもったら腹が減った。妙見温泉まで降りて飯屋に入る。
実は普段は私は食事が人の半分くらいの量ですむ。物心ついたときからそうだった。
おかわりもしたことがない。給食時間に友達がお替りじゃんけんをしているのがどれだけうらやましかったことか。
放課後まで残って食べさせられたのは苦痛だけが残り何も学べなかった。
で、いまだ。
旅をしているとお替りをしてしまう。飯もいいものを食べたくなる。
食堂にはいって一生に何度食べられるかわからないものを注文した。
うなぎ丼様のおなり〜。これだけで1100円。
普段の昼食の三倍の値段である。これも旅あればこそだ。
「まあ、お兄さんすごいねえ。自転車でこんなところまで来たの?」
食堂のおばちゃんが話しかけてきた。
「これから天気が悪くなるそうだから気をつけてね。」
「げ、そうなんですか。」
「これ、もって行きなさい。栄養つけてね。」チョコレートをいただいてしまった。
どうもありがとうございます。九州でもこんなに親切にされるとは。四国遍路以来だ。
ただいま13:00。
よおし!さらにいくで〜。
それにしてもこの辺の川って温泉が流れ込んでいるんだよな。それでこんな緑色をしているのだろうか。
走り続けて海へ出た。一気に風が強くなる。
街中でこんな看板を見た。いったいなんだろう?
蜘蛛合戦??生で見たら怖そうだ。
それにしてもこうしていろんなものを見て、いろんな人に会い、いろんな疑問を感じ、時にはつらい思いをする。
でもつらくても後で振り返ると喜びになっている。
旅に出られるというのはものすごく幸せなのかもしれない。
と、この蜘蛛の看板を見ておもった。
そしていつも旅に出ると上の感情は沸くのだが、普段は忘れている。
日常の何かの拍子に思い出すと矢も立てもなく旅に出たくなるのだが、旅に出ると「いま自分が幸せだ」と気づかないのだ。
今日の宿は鹿児島市内のリトルアジア。
幾人かの方と話させていただいた。
パンさんとペコちゃんさん。
ただいま21:45。
明日は垂水のライダーハウスに戻ります。
そしてその次の日は・・・・・・。(泣)
九州自転車極寒の一人旅 2007年目次
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