南の大陸へ! 九州へ、自転車で、
極寒に一人で・・・第10回
清水住職、啓太君、私はいま皆さんから49キロ離れたところにいます。
4ヶ月前にお二人と偶然お会いしてから、いつかまた会いたいとそう思っていました。
今日、その思いがかないます。
一瞬の出会いがとこしえの思いを生むこともあるのです。
宮崎市を9:15に出発。
別府港に降り立ってから幾百キロ、ついに今回のゴール「都城」の文字を見つけた。このために私は来たのだ。
自転車をこぎながら(今回はちゃんとこいでいる)、この旅のことを思い出していた。ふとした思いつきで動き出した九州縦断の旅。
もう明日には帰りのフェリーに乗っている。信じられない。ずっとこうして旅をしている気がしてならない。
家のこと、大阪のこと、仕事のこと、すべて忘れてしまった。
今の私の現実は九州で出会った人たちがすべてなのだ。
帰りたくない。
絶対にかなうことのない願いをこころでさけんでいた。
ただいま午前10時。都城まであと45キロ。
旅先で出会った方との縁を消すことがどうしてもできない。
遍路や屋久島、その他、数すくない旅の中で数多くの方とお会いした。
連絡先を交換し合った方は何人になるだろう。
そのすべてが、意味あるものだと思っている。旅の恥は掻き捨てという発想を受け入れることはできない。
事実この九州の旅で私は何人の方にお世話になっただろう。
幾人の方の生き方を見せていただき、また新しい「人」を知ることができた。これを一時のものとしてその場ですてることなどできようか。
そのすべてが私の財産である。
灰谷健次郎さんの「ひとりぼっちの動物園」という作品の言葉が私は大好きだ。
「あなたの知らないところにあなたの知らない人生がある。
あなたの人生がかけがえがないように、あなたの知らない人生もまたかけがえがない。
人を愛するということは知らない人生を知るということだ。」
九州の皆さん、たくさんの人生を教えていただいてありがとうございました。
途中の山の口の道の駅でヤギのソフトクリームをいただく。
道がまっすぐ続いている。
ただいま14:00
もうすぐだ、もうすぐ。
偶然の出会いを私は努力で必然とするのだ。
そのために8日間かけて、走り続けてきたのだ。
私は出会いを無駄には決してしない。
不意に前方の車がクラクションを鳴らしてきた。
うわ、大阪のノリじゃん、とおもったら清水住職の乗る車だった。
私を迎えに来てくれたのだ。
ハザードをたいた状態で私を誘導してくれる。助手席には啓太君も乗っていた。
ただいま15:00
光明寺は深い山の中にあった。
ここが実質的なゴールである。
およそ4ヶ月ぶりのお二人との再会。
啓太君はあれから背も伸びており、もしかしたら私は抜かれているかもしれない。(が、事実を知るのが怖くて背を比べなかった。)
お寺とはたくさんの人が集まるところであり地元のたくさんの方とお話をさせていただいた。
住職は「これがあのピースケさんですよ。」と紹介していたのはなぜだろう。
みなさんは帰った。啓太君は残り、お寺で一緒に泊ることになった。深夜まで勉強をしたり、いろんな話をしたりして
夜1時就寝。
ほとんど合宿のノリで部屋でテンションをあげていた。
最後の夜 12月31日 午前1時
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