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絶海の孤島 南大東島を旅する


        第6回  夜歩く


人口が1300人ほどの島に、居酒屋がいくつもある。
昼間お会いした旅人たちと夜の孤島へと歩き出した。







ここには「幻の魚」があった。



基本的には販売が出来ないが、ひょんなことから口にすることができる(こともある)。



そしてこの日は「ひょんなこと」がおきた日であった。


人間の体では吸収できない油分があるため、食した次の日のトイレでは惨劇が起きるという。
油がそのまま流れ出すのだ。

「二切れまでなら大丈夫だよ。」


勇気を持って一切れだけ食べたが、それ以上はむりだった。
でもおいしいんだよな、これ。






知らない人同士の呑み会は続いた。



「こうもりを呼びに行きましょうか?」島に詳しい人が言った。

こうもり?

南大東島にはたくさんのこうもりが生息していて、しかもその名前が「大東こうもり」というのだから
好奇心が刺激されるではないか。



かくしてこうもり探しの旅が始まった。


南の島といえどやはり夜は肌寒い。
しいんと静まり返った道を歩いた。ここは海の上に浮かぶ孤島なんやなあ・・・。
もう俺は大阪のことなんか忘れたわ。みんな、バイバイ。





なかなかこうもりは現れない。
ここまで来たのだから見たい。


  必死で見上げる一行。




こうもりは甲高い音に集まるという事実を思い出した。

ゴミ捨て場に発泡スチロールの容器が落ちている。
それをちぎって金属の看板にこすり付けた。



チチチチチチチ、サブいぼのたちそうな音がする。

チチチチチチチ、チチチチチチチ、チチチチチチチ、みんなでやる。



ばさばさばさばさばさ!


お?なんか羽音のようなものが聞こえた。


チチチチチチチ、チチチチチチチ、必死でがんばる。
チチチばさばさ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・見える?


見えないよね、さらにがんばる、チチチチ。




拡大図。どこにいるかわかりますか?結構な数がぶら下がっていました。
分からない人は写真にカーソルをあててね。




などとやっていると、時間のたつのを忘れるんですが、でもやっぱり一日は終わってしまう。


街と街以外の距離はごくわずかな小さな島。いくばくもしないうちに、灯火が見えてきた。

また集落に戻ってきた。人々の声がする。でももう日付が変わる勢いだ。

そして俺たちはそれぞれの部屋に戻り一日の終わりを迎えるのだ。

                                            

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