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インドへ、そしてマザー・テレサへの道

           第36回
   ダヤダンの子ども達  
  


数日前からさんざんかいてるからいちいち意識はしなくていいのだが、やっぱり今日は最終日である。
言うまでもなく日本に帰る日である。
え〜、本当に終わり?

そんなはずはない、俺はまだまだインドにいるのだ。ずっとずっといるのだ。


・・・・・



悪あがきはやめよう。




今、8月15日朝5時。

かあちゃんがチャイを入れてくれた。


そしてソーと家を出て、オートリクシャーをつかまえた。渡印したてのころはかあちゃんがつかまえてくれたっけ。いまでは何も意識せずできてしまう。
←最終日の最初に見たインドの光景。こんなものでも写真に撮りたくなる。


バスに乗り換えた。中はすいていた。早朝だからだ。

でもバスの外は混雑していた。早朝でもだ。                                                           



これでマザー・ハウスは何度目だろう?
考えるまでもない。たったの5度目だ。でもずっと昔からこうして通っている気がするのだ。
たったの5回があまりに重い。だから心では無限の回数を感じている。


マザー・ハウスの扉はしまっていた。鍵もかかっていた。ミサ中はこうするのだ。
私のすぐ横に若い女性が来た。
「お願い、お金をちょうだい。あかちゃんがおなかをすかしているの。」
最終日、心が揺らいだ。でもここで与えると物陰からどっと人が押し寄せてくるだろう。
関西弁で「すんません、言葉分かりまへん。」と返答した。

ミサのあと、マザー・ハウスでは朝食が配られる。
神奈川県のMさんも来ていた。
「僕、今日で最後なんですよ。」
「え、そうなんですか。」

ここでシスターに撮影許可証(パーミッション)をいただいた。
1週間以上ボランティをしたものが最終日にのみ撮影を許可されるのだ。
(以下、掲載しているダヤダン内の写真はすべて許可を得たものです。また子ども達のプライバシーを配慮して写真は小さくしました。)



ダヤダンにつくと、屋上からマーシー(マザーハウスで働く女性の名称)が呼ぶ声がする。
軒下に干してある洗濯物を全部、軒の外に干してほしいというのだ。
全部で300枚くらいはありそうだ。

うげええええ。

ここで最終日だから喜んでできればいいのだが、普通に面倒くさくなってしまった。この辺が私の俗人たる部分であろう。

近くをボランティアのUさんが来た。すかさずこの作業に引き込む。
彼は大分の医大生である。二人がかり、1時間の労働であった。



そのあと子ども達の機能訓練。体を伸ばし、動かす作業をさせないと筋肉や骨が固まってしまうのだ。
               
ここにいる子どもたちはみんな軽い。抱き上げると驚くほど体重が少ないのだ。理由は言わずもがなである。でもその軽さが今の私にはあまりに重たく感じた。
そしてすっかり顔なじみとなった子どもを抱き上げると、2週間目にしてようやく笑ってくれた。             


子ども達がロビーに集結しはじめた。今日はインドの独立記念日である。
毎年こうやって集まり、みんなで歌い踊るそうだ。

                           
ろうそくに火をともしお祈りをするとみんながロビーをくるくると歩き回り始めた。





シスターも、マーシーも、ボランティアもみんな歩く。
子どもたちが歩く。


       



シスターと子ども。Uさんと子ども。

              Yさんと子ども。Mさんと子ども。


歩いて、踊って歌ってお祭りは終わった。


続いて食事である。

最初は何をどうしていいか訳が分からなかった食事介助だが、少しだけ進歩した気がする。
  慣れた手つきの神奈川のHさん
                               
                            不慣れな手つきの大阪のPさん








ダヤダンでの活動は午前中は子どもたちを昼寝のためベッドに寝かせると終わりだ。
そう、終わりなのだ。

静かに子どもを寝かしつけるTさん  今にも子どもを落としそうなPさん


だから子どもたちよ、寝ないでくれ。

寝てしまうともうあなたたちの声を聞くことができなくなる。


もちろんみんなすやすやと寝息を立て始めた。
ダヤダンが静かになった。

2度と見られぬこの光景よ!2度と会えぬ子どもたちよ!
どうか元気で!
そしていつ、どこにいようとも、あなたたちとつながっていたい。


こうして子どもたちとお別れした。でもまだまだお別れしないといけないものがあった。
           

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