土砂降りのコルコタに戻ってきた。
相変わらず早朝から車のクラクションも人の声も、動物の鳴き声もボリュームがマックス。
ここでガイド氏とはお別れ。
左からMさん、Iさん、P氏、Sさん、後列Yさん、Mさん、前列Nさん、で、消えかかってる俺。
写真提供はIさん。転載については承認済みです。
Pさん、ありがとう。さようなら。そして沐浴しちゃいました、ごめんなさい。
俺はいまステイ先に戻ってきた。母ちゃんがお茶を入れてくれた。
で、チャイを飲みながら考えた。
ここでステイ先で疲れを癒すためにゆっくりすればいいのだが、
んなことできるはずがない。
もったいない。
今日は木曜日。すべての施設でボランティアを受け入れていない(見学は可)からダヤダンへは行けない。
ならばまた旅に出よう。
適当な街で知らないお店へいってみよう。
知らない通りの奥へ行ってみよう。
もう一つ、マザー・ハウスの原点。カーリガートを訪れたい。
まさにKallighatという名前の駅で降りる。
にしても降りてみたものの、どこにカリガートがあるんやろ?
とりあえず地下鉄の入り口で待機している例のポリスに聞きてみた。
すると横合いから結構紳士っぽくて結構ハゲ頭の結構太ったおっちゃんが話しかけてきた。
「私はその場所を知っているよ。ついてきなさい。」
彼はいちいち「友だち、友だち」といわないから信用していいのかもしれない。
結構紳士っぽい人についていく。
どんどんどんどん行く・・・・・・。
「ジャポニ、アレをみろ。」なぜかそこはきらきらした飾りのついた寺院。
「はあ・・・・・。」
「いい寺だろ?」
「はあ・・・・・。(あのマザー・ハウスは?)」
そのおっちゃんはさらに俺をなぜかなぜか、細い路地へ、そしてもっと細い路地裏へと誘導する。
おいおい、どこ行くねん。
しかもその周りは土産物屋がいっぱいいて、
「Hey!Hey!Hey!Hey!Hey!」
「 トモダチ! トモダチ! トモダチ!」
俺、飛んで火に入る虫になってる。
しかし進むしかない。おっちゃんは寺の敷地に入るように俺を促した。
さすがに躊躇。見ると傍らに門番なのか警官なのか分からん人がいる。
「あの、この中にマザー・ハウスがあるんですか?」
「あるよ。」
そうなのか・・。
やっぱりたくさんの「トモダチ」をスルーしながら行くと、確かにそこにはあった。
1952年設立された病気や貧困で死にそうになっている人の最後を看取るための施設であり、マザーが最初に立てた施設。
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中には入らなかった。
辺りの様子を見ると、別にあんな路地を通らなくてもここまでこれそうだ。
やっぱりおっちゃんはみやげ物屋の関係者だったんだろうな。
とはいえつれてきてくれたのだ。お礼を言わないと。
「へい!ジャポニ。」肩をたたかれた。あ、おっちゃん、どうもありが・・・・・・・・・?
あれ?さっきのおっちゃんが消えて、見覚えのない人がいる。いかにもな「トモダチ」が。やっぱり小太りではげている。
「あんたは外国人ボランティアだな。」
「そうですよ。」さっきのおっちゃんはどこへいったんだろう?見渡したがどこにもいない。目的を達して姿を消したのだろうか?
にしてもこの人は誰?
「いやあ、日本人にあえてうれしいよ。この辺りに私は詳しいんだ。案内しよう。」
いえいえ、間に合ってます。
「私はね、日本に友達がいるんだ。サチコっていうんだ。」
見え見えのはったりをかますおっちゃんとお別れした。
俺は今度はゴリヤハートという街にいる。
いろんなお店がありそうな路地裏に入ってみた。
インドってどこでどう曲がっても、進んでもこうして店があり、人がいる。
途中、こんな看板があった。マザーがいる。
母ちゃんに聞いてきたショッピングセンターがある。
どうしても聞き取れなかったのだが「どっきなぽん」らしい。
道をうろついていろんな人に聞く。
「ああ、どっきなぽんはあっちだよ。とっても巨大で美しいショッピングセンターだ。」
いわれた方向へずっといく。
そしてついた「どっきなぽん」はここだった。
店がほとんどなかった。
ここまで何しに来たか分からないけど、これでいいのだ。
こういう無意味っぽいことの積み上げが俺の旅。
十日前、俺はこの国へ来たときおびえきっていた。
それがこうして知らない街を歩いている。
これ以上の喜びはない。
帰り道、露天商でバンダナを一つ買った。これが今日の成果。
一気に次の日へ飛ぶ!