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インドへ、そしてマザー・テレサへの道
第14回 もっと自己嫌悪 編
子どもたちが昼寝をする時間だ。私が抱き上げると、こちらの体にしがみついてきた。
この子は見ず知らずの私に自分の命を預けている。それを思うといちいち自己嫌悪をしている場合ではないと思った。
旅に出ると目に映るものをすべて胸に刻みたいと思ってしまう。
それがこのインド旅ではその思いがどこまでも膨れ上がるのが自分でも分かった。
聞こえるものすべてを刻み、味わうものすべてを刻み、触るものすべてを刻みたかった。
となると胸に刻むどころか、
もう体全部に刻まないといけない。体、足りないやんけ・・・・・。
旅が始まりすでに五日が経過している。
今しか感じることの出来ない喜びを、
苦しみを、迷いを、
一つ残らず記憶せよ、我が心身!
子どもたちが一通り寝息を立て始めたので、ボランティアルームで休憩をした。
世界各国から若者が集まっている。イギリスが一番多く、次に私たち、そして韓国人。
イタリアの人もいた。アメリカ人が一人もいない。
ここで私は昼間買ったおもちゃを見せた。インドの子から値切ってゲットした品物だ。
90ルピーを80ルピーに値切ったことを、思いっきり自慢した。
「あの・・・・・・・それって相場20ルピーですよ。」他の日本人ボランティアに言われた。
「あ、そうなんです・・・・・・・・・・・・か?」
値切り交渉に勝ったつもりが、インドの10歳にも満たない子に完全にやられていた。
1円の金を稼ぐ重みのインドと日本の違い、今を生きることの真剣さの違いがここに出ている気がした。
5時半でボランティアは終わる。あの子たちはこれから夕ご飯を食べるのだろうけど、またカレーなのかな?
ダヤダンの玄関はコルコタの裏通りに面している。
アメリカでは裏通りは表通りより怖いといわれたりしていたが、インドでは裏も表もない。
どこも同じ感じだ。
ボランティア仲間のKさんがもうすぐ帰国するのでみんなで写真を撮ったりした。
カメラを出していると例にも漏れず子どもたちが集まってくる。
二度とは会えない子どもたちとの時間を、カメラでこうして切り取った。
集まってくるのは子どもだけではなく、大人も同じだ。向かいのアパートから家族連れが出てきた。
「一緒に写ってもらっていいですか?」英語で聞いたが、通じないようだ。
ゼスチャーで説明する。
通じたのか通じていなかったのかは分からないが、それでも写真は存在している。
赤道が近いインドの昼は長い。
まだ昼間のようなコルコタの夕暮れを楽しみながら道を歩いた。
そうだ、この瞬間も切り取らなきゃ。
クールにたたずむ俺の写真を撮らなきゃ。
セルフタイマーをセットし
カシャ!
わ!クールが〜。
思いっきりカメラの前を子ども達が歩いてしまった。
が、この写真かなり気に入っている。偶然の生み出す面白さにあふれている気がする。
彼らはカメラに気づいたようで写真を見せろといってきた。
ステイ先に戻ろうとしてもついてくる。どうやら、リュックからはみ出ているピースケっちが気になるようだ。
盛んに引っ張ってくる。こらこら君たち、やめなさい。そのヒヨコさんは兄ちゃんの旅の仲間なのだから。
ようやく彼らに解放されて家に着く。
自分の細胞全部が歓喜している。
月並みな表現だけど、今日一日もすばらしかった。
地下鉄の乗る方向を間違えて知らない町を歩いたのは今朝のことだった。もう数日もたった気がする。
しらないおっちゃんに追いかけられたと思ったらサングラスを拾ってくれていたなあ。
飛び込みで入った中華料理店では何を食べたっけ。
ショッピングセンターの前で知らない親子連れと写真とって、小さい子に300ルピーもぼったくられて・・。
300ルピーってインドの人にとったら大金じゃん。そういえば。
そしてダヤダンの子にご飯、ちゃんとあげられなくて自己嫌悪。
道端でいろんな人に出会い、ボランティア仲間の一人と今日お別れした。
ああ、もし旅の世界に神様がいるならやっぱり感謝したい。
(ダンニャワード=ありがとう)と。
インド滞在5日目終わり!
明日はインド洋を目指し旅に出る。
俺の横ではいまサマー(この家の一人息子)が、俺のデジカメをいじくってる。
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