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インドへ、そしてマザー・テレサへの道
第13回 自己嫌悪編
ふっふっふー。
我知らず不敵な笑いがこみ上げてくる。
行く前はあんなにビビッていたのに、こんなに落ち着いて街を歩けるようになっているのだから。
なので、ふっふっふ〜なのだ。
パークストリート駅近くに戻った。
このふっふっふ〜な状態の顔を撮っておきたい。
カシャ!
あとで見返すとこの顔はなんかいやらしい感じになっていた。
ふっふっふ〜というよりは、ひっひっひ〜という感じだ。
こうしてインドで撮影をしていると例外なく、みんなに囲まれる。
このときもそうだった。一組の親子連れが私のそばでジーと見ている。子どもは5歳ぐらいの男の子。
「一緒に写りませんか?」父親に聞いた。
「本当に?すばらしい。」
三脚を立ててセルフタイマーをセットしていると、その子がカメラに近づいていく。
「坊や、坊や、あかんて!!」
あわてて引き戻す。
5,4,3,2,1・・・・・・。
カシャ!
↓
撮れた〜♪
↑ ↑
確か親子連れとだけ撮ったのだが、なぜかその他がいる。
いつの間に??
坊やと握手をして別れた。
もう二度と男の子には会えないはずなのだけど、なぜかいつかもう一度彼に会うだろうという不思議な予感が今もしている。
また街を歩いた。
インドの路上では、町の人みんなが売り子ではないかという錯覚に陥る。
出店を構えているのはいいほうで、立ったまま人のあとを付きまとい、売りつける人が多すぎる。
そしてその最大顧客はおそらくは東洋人である。日本人である。
さすがに疲れる。
みんな俺の後を着いてくるんやもん・・・。
その中に8歳ぐらいの子がいた。
磁石のおもちゃを売っている。空中に放り投げるとバチバチと不思議な音を立てるのだ。
彼がそれをバチバチ言わせながらついてきた。
なんか欲しくなった。値段を聞いた。
「一個90ルピーだよ。」
約200円か。そんなものかな。でも普通は吹っかけられると考えるべき。
「負けてよ。」
「O.K!80ルピーでいいよ。」
お!?
値切り交渉成功じゃん!
すげー、俺の交渉術。
調子に乗って友達の分5個かって彼に400ルピーを渡した。
直後、横合いから赤ちゃんを背負ったおばちゃんがすっげえ勢いで飛び出してきて何かを怒鳴りだした。
俺にではなく、売り子の男の子に。
その激昂した様子に怖くなった。怒り方の迫力は日本の、正確に言うと大阪のおばちゃんの比ではない。
私は大阪のおばちゃんよりも怖い怒り方をする人を初めてみた。
おそらくはもっと高く売れと命令しているのだろう。値切ってしまったのは俺だ。
「あー、怒っちゃだめですよ、ノープロブレム。(←一度インド人に言ってみたかった。)いい息子さんですよ。」必死でなだめてその場を去った。
路上で日本人のボランティアの仲間Nさん、Iさん、Kさんにあった。
不吉なことを聞かされた。「8月15日は、飛行機がストになるかもしれないですよ。」
「マジ?」私が日本に帰る日である。また彼女らもネパールに向けて旅立つそうだ。
インドでは航空機のトラブルも珍しくはないと、事前に学習していたとはいえ、自分の身に降りかかるとやはりあせってしまうのだ。
あせる私に向かってインド人がバクシーシをしてきた。
ダヤダンについてまずしたことは昼食介助である。
ガブ君(仮名)の「障害」は重度のようで、なかなか食べてくれない。
口をあけてくれない。スプーンでカレーを入れるのだが、噛んでくれない。
マーシー(女性のスタッフ)が、見本を見せてくれた。少しだけ強引な感じで。
正直な話なのだが、彼女らの食事の与え方は怖かった。
「無理矢理」という言葉しか浮かばなかった。
でもこうしないと子どもたちは栄養を摂取できず、体がすぐにでも弱ってしまうのだろう。
こうするしかないのだ・・・・・・・・・・・・・・・・・と必死で理解した。
で、俺だ。見よう見まねで食事を与える。
あごを動かしてかませる。上を向かせて嚥下させる。
でけへーん。
お願いだから、ガブちゃん、食べて・・。
でも分かる気もする。このカレー、ぐちゃぐちゃでまずそう、なんか・・。
結局満足に食べさせることが出来ず、ピースケ食事介助第一弾はあえなく敗退。
おばちゃんに交替させられました。チーン。
ものすごい自己嫌悪。
俺はインドまで何しにきたんやろ?
このあとさらに自己嫌悪を増幅させることが、私の身に降りかかることになる。
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