みんな、ありがとう 普段着お遍路歩きの記
2004年春編 第5回
6時に目が覚めた。
まてよ・・・・・?昨日7時半には寝たということは・・・・・・・?
なんと睡眠時間は10時間半か・・・。
おきてすぐに外へでた。さすがに誰もいない。
霊場を独り占めしている。身が引き締まる思いではあった。
犬のヒロくんにも会えた。
最後までこちらを向いてくれなかった・・。
こっそり食堂をのぞいてみた。すでに支度がしてあった。
部屋に戻り、かんちゃんをおこした。
「あ、どうもっす。いやあ、寝た瞬間の記憶、全然ないっす。」
「しかし、この朝ごはん、ゆで卵で助かったですよ。たいてい生卵やけど、あれ、苦手で・・。」
「せやな、わしもやねん。」向かいに座っていたおっちゃんが言った。
「あ、俺だけ、生卵だ!」かんちゃんが叫んだ。おっちゃんも私も驚いた。
「ウソです・・。」 さすがマスコミ志望の彼であった。
ちなみにお櫃の手前のかわいい巾着はお寺からのお接待である。どうもありがとうございます。
いよいよお別れである。7時を迎えた瞬間に霊場には人の姿があった。
「最後に聞いていいですか?」
「なに?」
「どうして白い服を着ないんですか?お遍路さん、みんな着てるのに。」
「僕、あれは着ないことにしてるんです。」
「それ、どうして?」
「だって暑そうでしょ?」
「なんだ、それだけですか?」どうやらすごく深い、例えば信仰上の理由を想像していたようだ。
別れるとき思い切って
「予定がないのなら次の街まで一緒に歩きましょう」
と
提案するような・・・・・・・・・
馬鹿な真似は出来なかった。
彼も年上の私に断りにくいだろうし、これ以上一人でいるのを怖がってはならないのだ。
「旅をしていたら、またどこかで会えますよ。」昨日、私はそう彼に教わったではないか。
彼のほうから握手を求めてきた。
そういえば、人との別れ際に握手をしたのはいつ以来だろう。
普段ならどんな話をしたかを書きたいのだが・・・・・・どうしてもこの時の会話が思い出せない。
なぜか、目の前にいた犬の姿ばかりが浮かんできてしまう。
山門を出てから私は一度も振り返らなかった。
これほどまでに一人の人との出会いが心に残ったのも、
今までの孤独の足取りがあったからだろう。
歩き続けたからこそ、休息が染み入るように、
雨にうたれたからこそ、陽だまりにぬくもりを感じるように
独りでいたからこそ、
人の素晴らしさが分かった気がするのだ。
「人の素晴らしさ」を感じる心、
これだけが孤独に耐えた旅する者への、
遍路道からの無形の報酬なのかもしれない。
さあ、行こう。
春の遍路だが、ずっとずっと心は寒風が吹いていた。が、このときようやく春の日がさしてきたのだ。
これからの私の足取りを、暖かい日が照らすことを祈る。
そう、日がさすことを・・・・・・・・・・・・。
日が・・・・・・・・・・・
は!!
なに、これ?
全国の女子高生のみなさん、お待ちかねの、アレがいらっしゃった(←お久しぶりです。by バラ)
路面がぬれていた!
やっぱり、きやがったか・・・・・・・・!!
最後にかんちゃんさんとの写真を掲載して次回に移る。
二人のポーズは何を表しているか。(カーソルを当てると答えが出ます)。
私は38番札所のある足摺岬へ向かって歩き出した。
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