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 みんな、ありがとう 普段着お遍路歩きの記 
                                  2004年 編 第1回 

                                                             



なんだかみんながこっちを見ている気がする。
「あの人、棒切れを持ってる・・・・・。」
「うわ!ヘンな人ちゃう?」
「近寄ったらやばそう・・。」

そんな声が聴こえてくる。
それに・・・・・・。あー、視線が痛い。みんなそんなに俺を見つめるな。
第一、これは棒切れちゃう!金剛杖や。物を知らんなあ、みんな。


俺は歩き続けた。自然と足が速まる。この空気から脱出したいからだ。
そしてようやくバスに乗り込んだとき、改めて体から汗がわいてでてきた。
深夜バスは5月にもかかわらず冷たい空気のバスターミナルを出発した。
大阪の街が後ろに流れていく。見覚えのある光景だが、今日だけはなんだか特別な「ふるさと」との決別を感じさせる。


テントではあんなに熟睡できるのに、乗り物の中ではどうしても寝られない。周りからは寝息の音といびきの音しか聴こえない。わたしひとりが、心臓の音を響かせていた。



それでも3時間は寝ただろう。気付くと四国へはいっていた。
もったいないことをした。せっかく近畿と四国の区切りがどこにあるのか見極めようとしたのに・・。
しかし俺も相変わらずうれしがりやなあ。これで遍路区切り打ちも三回目だというのにまだ初心者のようだ。


前回遍路終了から4ヶ月。いろんなことが身辺におきた。辛いことのほうが多かった。生きるのはこんなに辛いのかと実感した日々があった。
だが、それを全て振り捨てて再びお遍路さんになるのだ。


道のど真ん中で下ろされた。ここが停留所らしい。降りたのは私一人だ。私以外の全員が寝ていた。

       

空気の匂いが違う。大阪とは違う。絶対違う。

     
             

近くの駅で地図を見た。37番岩本寺へは二つのルートがある。
山の中の遍路道を行くか、
それとも国道を進むか。

前回、歩くのを断念したのは国道の上だった。
だから、今回もその続きから始めたい
そう決意し私はアスファルトの上を歩き始めた。日常生活において地位を持たなくなった「歩く」という行為。これから数日はこれのみが私の時間を支配するのだ。


朝の空気が冷たい。そして心地よい。旅空の下ではいつも感じることだが、夜と朝の境のこの神聖な時間が私を包んでくれている。この非日常な時間よ。ようやく私はこの中に入ることが出来た。



しっかし、もう遍路も三度目か。心は初心者だけど、もうベテランやな。よし、周りの人にもアドバイスできるかもしれない・・。



すぐに上り坂になった。七子峠という四国有数の坂が私の前にあった。その坂道そのものも私を祝福する神聖なものに思えた。

とはいえ、こんな能天気な状態がどれくらい続くか・・・・・・。それは神のみぞ知るだ。

坂道を登りながら、考えたことがある。



今回の目標

  出会いを大切にしよう。
これまで以上に、だ。
そしてできれば友だちをつくりたい



ついでに・・・・・・・・・

  
          今回の執筆の目標


            長くしない



                 ので・・・・・・・・・・・読者の皆さん、どうぞよろしく。
ということで、2004年春 5月2日 第三回お遍路区切りうちの始まりである。
                                         
            

                        
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