みんな、ありがとう 普段着お遍路歩きの記
2003年夏編 第27回
動かないバスに乗りながら、柄にもなく私はこの旅の十戒
を考えた。ただ漠然と歩いてるだけでは、アホな私はとん
でもないへまをしそうだからだ。
その十戒とはこれである。
一 道に迷うべからず
ピースケの遍路十戒
二 雨を呼び込むべからず
三 宿には遅れずに行くべし
四 やたらと冷たい物を買わない
五 足に無理をかけない
六 人見知りをしない
七 荷物を大切に
八 弱音をはかない
九 泣くな
十 ころぶな
このピースケ十戒はいつまで持つことだろう?
しかし、このバス、うごかへんなあ・・。これやったら
今日の予定が・・・・、あ、早くも弱音を吐きそうになった。
危ない危ない。
流れる雲のような心境になるのだ、今日から俺は。
3時間遅れでバスは徳島駅に着く。確か三日前にここを
発ったのにまたきている。こんな旅は初めてだ。この駅を
見てもまだお遍路を再開したという実感は湧かない。時
間にあせってしまい、それだけが気になってしょうがない。
13:03分到着、そして列車が13:08発!この間わずか
5分。それでもどうにか乗り込んだ。
南小松島駅着 13:26
本来なら前回ラストの17番の門を出たところから再開すべき
だろうがそれは断念した。
さあ、ここからリスタートだ。軽やかな足取りで私は歩き出した。
だんだん自分はお遍路なのだという実感が湧いてくる。心から
喜びを感じてきた。あの遍路シールはまだないため、地図を見な
がら歩く。この角を曲がれば、お寺への道に着くはずだ。
順調、順調♪
あれ?いきどまり?まあ、誰にでも間違いはあるさ。これは迷った
のではなく、単純たる地図の見間違いである、絶対。
こんなに早く十戒のその1をやぶってたまるか。
そうそう、この道。こっちが正しい・・。
あれ?なんか見覚えのある建物があるぞ・・・。
なになに? 南
小
松
島
駅
!?
南小松島駅着 13:46 (写真は上と同じもの。二回目は撮る気力がなかった)
・・・・・・・・・マウスをのせてみてください
元に戻ってどうすんねん!
あきらめて歩き出す。今度も迷ったら嫌ややなあ・・。
しかし落ち着いて地図を見たら、たしかにさっきの私は、
おかしな方向に進んでいたことがわかる。何事も、冷静に
判断すればよいのだ。そう、これでいいのだ。
「兄ちゃん、お遍路か。えらいなあ。どこいくんや?」
向こうからきたおじいちゃんが声をかけてくれた。
「はい、18番です。」
「はあ??どっちあるいてるん?全然ちゃうで。」
ふんぎゃ〜!?・・・・もう僕、ダメれす・・・
おじいちゃんのおっしゃったとおりに歩くと、苦もなく国道56号線
にだどりついた。これからの大半の行程はこの道の上にある。
お遍路でなくとも、四国一週などの旅をする時は少なからずこの
道をたどることになる。そう思うと、普通の国道なのだが、どこと
なく幾多の旅人の血と汗がしみこんでる気もする。
間もなくかの遍路道保存協会がたてた看板に遭遇した。あの赤い
歩き遍路マークである。この遍路の介くん(私がつけた名前)の
指すとおりあるくと、住宅街にはいった。
すると味気ないアスファルト道路から苔むした情緒あふるる
遍路道へ私は導かれるようだ。
この私が指をさしている空間が遍路道
やはり土の道はいい。いかにも旅の道という感じがする。
私はさっき道に迷ったことを打ち消すつもりで、胸を張り、
今度こそ迷わないぞ
という高尚な決意を抱きながら歩いた。
もうすぐ札所につくはずだ。
数メートルも進まないうちに道はこうなった。
なめてんか〜!!??
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