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みんな、ありがとう 普段着お遍路歩きの記
  

                     2005年春編 
 第5回



6時にはお約束の「夕焼け小焼け」の音楽が流れてきた。
これや、これ。今日最後の旅情趣だ。


食事場所では年配の人がかたまって話しており、若輩者の姿は目に入らないようだ。
もう誰かと出会いたいとも思わなかった。一人でもいいのだ。
ただ宿のおばちゃんだけが「若いのにえらいねえ」と言ってくれた。

明日の朝食は6時らしい。
9時には寝ることにする。窓の外のカエルの声が遠のいた。



               
5:30起床。
こんな風に窓を開けると公道が広がっているのだ。すごすぎる部屋だ。

朝食場所に行くと、年配の方々はもう食べ終わりかけていた。
「おはようございます。」挨拶をしたが、誰も顔を上げず自分たちの食事に集中なさっていた。

そんなことだってあるさ。



   

外へ出た。すでに太陽は昇りきっている。
道も徐々に登っていく。これは予想通りだ。今日は難所の横峯寺へ行くのだ。
しばらくは国道だが、道を間違えたかなと不安になった頃、休憩所と水のみ場があった。
ここでしばし昼寝というか、朝寝をする。


そしてサイン帳があったので調子に乗って書き込む。
実はこの休憩所は翌年の土砂崩れの際に全て倒壊してしまった。
これで私の記帳ももう見られないのだ。


と、おもったらなんという偶然だろう。
なりすけさんが日本一周をしている最中に私のサインを見て記録してくださったのだ。
                 それがこのページ。
この写真は実に記帳である。しかし、サイン帳の中でも「寂しい」などとかいている私の弱さを改めて思い知らされた。

傍らには水のみ場があった。
焼山寺の苦行の教訓を受け、ペットボトルを満タンにした。
それにこの水、おいしい・・。


さあ、おいしい水を飲んだところで行くぞ、おれは。

      
    わあ!





・・・・・・・・・・・・・・なんや、この道?




登り始めてすぐに道の異常に気がついた。あちこちが崩れている。

さっきの国道も路肩が崩れたりはしていたが、


ここは道そのものが崩れているのだ。


しかし、もう引き返すことなどできない。

幸い赤いリボンが進むべき道を示してくれている。逆に言うとリボンが必要なほど、状態が悪いのだ。

もう道もめちゃくちゃである。いったいどこを通ればいいのか。
なにより少しでも足を踏み外すと川に落ちることになる。
思わず携帯を取り出した。しかしそれは当然のごとくに「圏外」。




大雨の傷跡は地面だけではなく、そこから命をもらっている木々にも残されていた。
山の中なのにやたらと暑い。頭上を見上げた。
そうか・・・。


木が倒れたことで枝がなくなってしまっている。



            
ロープと赤いリボンと共に旅をする。


傍らの本来のへんろ道は見る影もなく崩れ落ちている。




古の人たちの足跡が21世紀になって消え果てしまった。
これからはこの臨時の道がへんろ道になるのか?

待てよ・・?

そうなると俺がこの道の最初の旅人やんけ。

みんな、俺の足跡を踏むわけか?お、すごいー。

などとわけのわからぬ妄想を抱きながら歩いた。



山道では平地より距離が長く感じるのに、この倒壊状況がそれに輪をかけて、歩みを遅くしていた。

「いくら進んでも、距離が減らんなあ・・。」我知らず声が出る。




残り0.4キロなのだが、それが無限に長く感じる。
こんな風に時々うずくまってくじけつつも・・・、





おお・・・、



これが見えたときどれだけうれしかったか・・・。


いったい誰がこんなところにお寺を作ったのだろう?
誰か教えてほしい。大工さんという答えをのぞいて。


     
     四国霊場 60番札所横峯寺 5月4日10:47到着





寺に入ってあっと驚いた。


一体どこから沸いてきたのだろう、この人だかりは。
信じられないぐらいたくさんの人がいた。

今日がGWだとかそんなことよりも、あの山道で誰とも会わなかったのに、なぜかここが満員御礼だという事実に驚愕していた。





                                  


        ・・・・・・・帰りの下り道は壊れてませんように。

                


                          

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