みんな、ありがとう 普段着お遍路歩きの記
2005年春編 第4回
旅をしていて、ふと祖母の住む田舎を思い出すことがある。
違った土地へ来たなと実感する条件がいくつかある。
旅心を掻き立てる条件 1
田んぼで物を燃やす匂い。
どこからか煙の匂いが漂ってくると、ああ、今俺は旅をしているなと思う。
秋には籾殻を燃やしているのだ。
旅心を掻き立てる条件 2
向こうに線路が見える。単線ならうれしい。
できるなら、そこを猫が横切ってほしい。
私の田舎には5キロ以上信号がない道がある。
旅心を掻き立てる条件 3
信号はないか、あるいは点滅が望ましい。
あっても昼間から黄色でちかちかしている。
そして一番聞きたい旅心を掻き立ててくれるものは
旅心を掻き立てる条件 4
午後5時のチャイムと有線放送である。
そして四国ではこれに遍路シールが加わり、旅の情趣を増幅させるのだ。
あなたはどうだろう?
どんな景色、音、匂いで実感するのだろうか。
国道196号線は残念ながら普通の道だが、遍路シールに導かれ細道へ入った。
この上の線路はどうなっているのだろう?
単線かな・・・・・?
お、とりあえず新しい町へはいった。
西条市(旧東予市) 5月3日午後15:27突入。
自分の単純さが遺憾なく発揮できるとき、それが旅空の下である。
職場では「アホちゃうか」と思われている単純ピースケがここでは自分のしたいことをしていた。
したがって、望みどおりの景色を見たときこうする。
単線大好き。
そこを横切る猫を探したがいなかった。
この文を書きながら、自分の心情についてふと気付いたことがある。
景色についてこだわりだしたのは、寂しさをどうにか昇華させようとしているためであろう。
ずっと人恋しがっていたが、その思いがつのりきった時、違う方向へと心を持っていたのだ。
結局ずっと一人だ。
上空を走る飛行機雲でさえ
こんなに同行者を持っているというのに。
いつの間にか、集落に入った。人に会えるだろうか。
あ・・・・・・・・・もう一つ「旅の景色」を見つけた。
俺が大好きなもの。
家ではなく、壁に取り付けられた琺瑯看板である。
いつの頃からかこんな看板が好きだった。
↓
旅心を掻き立てる条件 5
民家の軒先にある琺瑯看板
★コラム★
余談だが琺瑯看板といえばやっぱり大塚グループのものを思い出す。
家の風呂をレトロな銭湯風にしたくて、 琺瑯看板をオークションで買って飾ってしまった。
ピースケの家の風呂場
さて、遍路旅だが・・。
次第に日が傾き始めた。
すると・・・・・・・・・・また旅心をそそるものが・・・・・・・・・・。
キーンコーンカーンコーン
おお、チャイムだ。やっぱり鳴った。
ってことはおそらく今は午後5時だろう。この道のどこにあるのか、スピーカーを探したが見つからなかった。
この日の宿についた。
部屋に入って驚いた。
布団を一枚敷いたらそれで部屋がいっぱいになるのだ。まさかこれがうわさの3畳間?
窓を開けた。目の前が道路だった。
まあ、いい。全ては経験だ。
明日は石鎚山へ!
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