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みんな、ありがとう 普段着お遍路歩きの記

              2005年夏の実況中継編 私なりの結願をめざして 第19回


79番に至る道は美しさと悲しさが入り混じっている感じがした。
時折非常に活気のある都市部があると思えば、正直寂れた感じの商店街を通る。
なんで平日なのに人がこんなにいないのか。
店が閉まってるのか。
地方都市の悲哀も見た気がする。



1時間半で到着した。実にテンポがいい。
というか香川県はお寺の距離が近いなあ。でもその方が疲れないのは確かだ。

なんかこのお寺は今までで一番さびしかった。大師堂と本堂が隣り合っているほかは、建物も少ない。
それに人がいないのだ。隅のほうでおっちゃんが絵を描いている。声をかけようと思ったが、忙しそうなのでやめた。


しかし納経所の場所がわからなかった。壁の向こうにあった。
「歩いてるの、暑いのに無理しないでね。今日は80番までね。この時間だと。」
「はい、あの・・・・・・あの辺りで野宿をできる場所、知りませんか?」
「あるとは思うけど、物騒かもよ。」

うーむ、まあいい、がんばろう。

ただいま14:30。炎天下。



線路沿いをゆき、やがて国道に出た。それもだらだらと長く上る国道。
私のすぐそばをがんがんにダンプが通り過ぎていく。およそ3キロほど国道を行ったことだろう。
その間にすれ違った人はなんとゼロだ。
みんなどこにいるのか。そして、通り過ぎた車は幾千台・・・・・・・・・・・・。
完全に瀬戸内の都市部に入ったという実感がわいてくる。ふと高知の太平洋を思い出したりもしてみた。
大阪が近い。家が近い・・・・・。


途中に国分駅がある。お、野宿はできるかな?



・・・・・・・・・あかん!ベンチがまったくない。おそらくは・・・・・。



店屋をチェックしながら80番についた。
本堂をお参りしようと近づくと、一人の僧侶とその息子さんらしき男の子がいた。
久しぶりに見る遍路、うれしくなって声をかける。
「こんちはー!」
「おお、歩きですか。どこから?」
「はい。大阪です。」」
「いやあ、私の師匠のお寺が大阪にあるんだ。」
「偶然ですね。僕こういうものです。」納め札を渡すとご僧侶は名刺をくださった。
宮崎県の光明寺の清水さんとおっしゃるるそうだ。
男の子は息子さんではなく檀家さんの中三の息子さんでともに遍路をしているそうだ。
こんな夏休みを送る中学生もいるのだ。
すばらしきかな、お四国。一緒に写真をとらせてもらった。
啓太くんと清水さん(名前と写真については了承済みです)


遍路には詳しそうなので「野宿できる場所はありませんか。」
「ちょっとまって、私が奥さんに聞いてみよう。私たちはかんぽに泊まるんだけどね。」
「ああ、山の上のですね。」
「・・・・・・・・・・・・・・そうか。お接待しましょう。」
「え・・・・・・・・。」一瞬固まってしまった。しかしお風呂には入りたい。風呂好きピースケである。
「ありがとうございます。」

この寺の大師堂は納経所の中にある。私が納経している間にお二人はタクシーのほうに行った。
納経所の方に聞いてみるとこの寺の敷地内ですごしていいそうだ。よかった。
お風呂のあと、戻って寝る場所ができた。



お二人に同行してタクシーに乗る。ついに車に乗ったが、明日の朝歩けばよい。
が、タクシーの運転手さんの電話がどうも・・・「ええ、三人に増やしてください。」簡保にかけているようだ。
まさか・・・・・・?


しばらく啓太君や住職さんと話していたが、思い切って聞いてみた。
「あの・・・・・・お接待ってどこまで考えたらよろしいんでしょうか。」
「はっはっは。何にも心配はいらんよ。」
それって・・・・・・・・・、もしかして・・・・・・・・・・・本当に?
狐につままれた気がした。突然雲の上にいった気がした。雲辺寺とどっちが高いのだろうか?
伊藤さんの運転する車がかんぽについた。

きれいだし・・・。俺って・・・・・。いいのかな?

でも、このお二人のご好意、泣きそうなくらいうれしいのだ。
これも何かのご縁である。心からそう思った。そして好意をすべて受けさせていただいた。


とフロントにあった四角いスイカを見ながら考えた。



フロントでは私の隣町のお遍路さんに話しかけられた。
「ご兄弟?」
そういえば、なんとなく似ていないこともない。これも縁なのだろうか。


部屋に入って住職さんの納経帳を見せていただいた。真っ赤である。50回をこえて回っておられるそうだ。
かわりに私もHPを見てもらった。


食事もお風呂もすべてお世話になってしまった。
食事をしながら聞いた。
「お接待、どうしてして下さろうと思ったんですか。」
「そうやな、歩く人から挨拶されたのは今回初めてだったしな。たいがいわれわれが歩く人に声をかけるけど。そのときのさわやかさかな。」



・・・・・・・・・・・・・ううむ、自分で書いていてすごく照れるのだが、



実際にそういわれるとやはりうれしいのだ。

で、無邪気に書きたくなってしまう。実に単純なピースケである。





窓の外は日が暮れていく。西日が夕日になっている。向こうのほうに瀬戸大橋が見える。

恩返しに啓太君の宿題を見てあげた。それくらいしかできないのだ。
                                 

窓の外は日が落ちていた。




今日、私の身に起きたこと、出会ったこと、どう説明していいのかわからないくらいだ。
だから事実をストレートに書いた。
なんといっていいのだろう。


ひとつだけいえること、

ありがとうございました。





ただいま22:30
住職さんは寝ています。啓太君はテレビを見ています。私は思索の世界に入っていってます。





      

 

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