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みんな、ありがとう 普段着お遍路歩きの記
2005年夏編 実況中継 第6回
65番を出てしばらくは曇りがちだった。ずっとくだりゆえ汗が完全に引いてくれた。
次の目的地は椿堂である。
くわしい場所をたまさん(リンク集参照)がおしえてくださった。すごい記憶力の持ち主で、私がいま歩いている道を、ご自身も今見ているかのごとくナビをしてくれるのだ。どうもありがとうございます。
しばらくはこんな美しい日本の風景が続く。
そんな原風景の中でこう考えた。もしバス停での宿泊が無理なら、街中に下りて公園で寝泊りや。でも最近は野宿禁止のところが多いみたいやし・・。伊予三島の付近は都会やから余計妖しいやろうな。
そんなことを考えているうちに早朝に出会った、自称「半分ホームレス」のおっちゃんのことを思い出した。
そのおっちゃんは私がねおきでぼ〜っとしてるとき、話しかけてきた。
「若いのに、えらいなあ。本物のお遍路さんやな。」本物の意味がわからないが、おっちゃんはしゃべり続けた。
「おっちゃんは、半分ホームレスの生活をして、車で寝泊りしてるんよ。娘も独立したし。自由にいきたくてね。だから野宿してたらよく警官に声をかけられるわ。あやしいんかな?・・・・・・兄ちゃんみたいな雰囲気やったらどこで寝ても大丈夫や。」
「そ、そうっすかね。」
「ああ、怪しくないもん。」
・・・・・・・・・「怪しくない」とほめられたのは初めてだ。
とまあ、こういうエピソードが朝にあったわけで。
俺、怪しくないから公園で寝ても大丈夫かな?
半分ホームレスのおっちゃん、写真どうしたらいいですか?車には手紙は送れないです。
「なんや、恥ずかしいなあ・・・。にいちゃんとってくれてありがとう。」おっちゃんは写真を撮る間何度もそういっていた。
さらに歩き続けた。なんか悩むこともなくなってきた。
「どうにかなるやろ・・・・・。」こんな心境になったことなど、これまでの人生でそうそうない。いいことだ。
美しい風景はどこまでもつづく。
今回の道のりの大半は国道11号線とその周囲だった。実のところ、景色には飽きていたのである。でも、終幕が迫っている。こうして実況できる時間もなくなってきた。
休憩時間ももったいない。休んでなんかいられない・・・。
ついに太陽が顔をのぞかせた。突然汗が反乱を起こして噴出してきた。
うげげ・・。
休んでなんかいられないといいつつも・・・・・・・・・・・・。
うわあああああ!吸い込まれる!
こういう休憩所があれば、入るに決まってるじゃないか。
ということで休ませていただきました。
10分休憩して、さあ、歩くぞ!
ただいま 午後2時!
ふと、なりすけさんのHPを思い出した。ちょうど私が今歩いているところあたりの日記で、道に咲く花をなりすけさんの感性で撮影されていたように思う。いろんな人のHPを見ているととても勉強になる。
ってことで、私も道に咲く花を撮影してみた。
完全に乾燥した地面に咲いた花
あー、やっぱとり方が下手だ。
上の花をとった直後、眼下に街並みが見えた。そしてそのなかに「椿堂」の看板。遠くから目的地を見つけるととてもうれしくなる。
落ち着いたたたずまいと花の美しいお寺だ。
納経をしていただいた後、野宿をしようとしているバス停について聞いてみた。ご住職さんは丁寧に時刻を調べてくださった。
「そこからだと、11時台に一本あるだけですね。」
「ガーン!」それだと間に合わない。それに歩いて降りるとなると4時間はかかる。帰られない・・。
ここで私はふもとに降りる覚悟を決めた。多少治安面で不安はあるが、それでもいいのだ。しょうがないのだ。
ただいま午後3時
四国八十八ヶ所お遍路セット(スターターセット)
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