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みんな、ありがとう 普段着お遍路歩きの記
  

                     2004年冬編 
 第10回




再び歩き出したのは何分後か知らん。人の話を聞いた直後に時計を見る訳にもいかない。

ふと右を見た。うわあ、これか。


おばあちゃんはこれを指差していたのである。




お勧めのうどん屋にはいった。

また歩き出す。





北条市に入ってしばらくして海に出た。
小さな漁港がある。全ての漁船が行儀よく並んでいた。
誰も漁には出ていないのか。そりゃそうだろう。今日は大晦日なのだ。
   




一台の車が停まった。なかから女の方が出てきた。
「これどうぞ。」チョコレートのお接待を頂いた。




さらに道を進む。軽トラックが私のすぐ前に停まった。
私は車の左から追い抜いた。

軽トラックは私の後をつけてくる。
今度は私の左に停まった。
なんじゃら?


とおもったら、中ならおっちゃんが出てきた。
「兄さん、これ。」
「あ、はい?」


と、渡されたのは夏目漱石さんだった。
お接待は断ってはいけないとわかっていつつも、思わず辞退。
「いいから、いいから。」おっちゃんは行ってしまった。
頂いた1000円はこのあとずっと握り締めていた。

何かをあきらめたとたんにみんなが親切にしてくれる。そんなものなのかもしれない。


繰り返すようだが、やはり私は旅先でいろんな人と出会いたい。
語り合い、写真を撮り、交流をつづけたい。
ユースに泊るのもその一環である。


そして今日もユースに来た。


部屋に上がるとすでに二人の方がおられた。毎年大晦日に集うそうだ。
続々と人が集まってくる。最終的には14、5人ほどは泊られたようだ。


「ようだ」とかいたのは、大晦日にもかかわらず私のとった行動のためだ。
「では、失礼します。」といったのが10時過ぎ。
「もう寝るの?」周りの人に驚かれた。
おいしい鍋も十分食べなかった。
ごめんなさい。

でも、限界やったもん。
こうして私の2004年が終わった。階下からはみんなが騒ぐ音が聞こえる。


せっかくの出会いのチャンスを、あんなに望んでいたほかの人との触れ合いを、
自らの手で放棄してしまった。
これが今年最後の記憶だった。







朝6時過ぎにそ〜っと荷物をまとめる。


ヒーターの前でわんこが寝ていた。
ペアレントさんは起きておられた。私が早く出発するためだろう。
すいませんなのだ。元旦の早朝からバタバタさせてしまった。
一人の宿泊客のかたも起きておられた。

お二人に見送られて私は外へ出た。

2005年 1月1日 記念すべき一歩



は、もちろん・・・・・・・・・・・・




雨。


修正をかけたが、実はまだ真っ暗。


町はしいんと静まり返っている。動くものは見えない。

みんな、寝ているんだろうな。こうして俺が歩いている間も。


道は国道196号線を外れる。完全に山の中に入る。
勾配がきつくなってきた。足元ががちがちである。
ふと二日前の恐怖がよみがえってきた。わかっていたのにまた山道を歩き出してしまった。

歩けば歩くほど変なところへいってしまうようだ。引き返そうかな。
今回はなんか私の判断する方向は全部間違っている気がする。
次回、冬編 最終回

              
                          

四国八十八ヶ所お遍路セット(スターターセット)

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