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みんな、ありがとう 普段着お遍路歩きの記
  

                     2004年冬編 
 第1回




目を覚ますと知らない土地にいた。


カタン、カタン・・・・・・・・・数時間前と同じ音が聞こえる。斜め後ろに座っている少年はまだ寝ていた。


薄汚れた窓の外に見える空は少しずつ白み始めている。冬の夜明けは遅いはずだから結構な時間なのだろう。
今、一瞬見えた町並みの人々はまだ寝ているのだろうか。


頭ははっきりとうごかない。寝たか寝ていないかの、気持ちの悪い時間がかなりあった。

一瞬工場街に入る。
                  

が、またすぐに人々の息吹感じる景色に変わった。

前方に新聞配達のカブがみえる。

おはよう!愛媛の皆さん。

ついに来た。5回目になる遍路区切りうち。

やっと俺が

    俺になれる時がきた・・・。


今回は少しでも時間を大切にしたかったため、深夜0時過ぎに大阪駅を出る電車に乗った。これに乗ったことで早朝からお遍路をはじめられるのだ。
生まれてはじめての夜汽車である。電車の中でずっと萩原朔太郎の「夜汽車」という詩が頭の中で心地よい響きをもって鳴り響いていた。

            有明のうすらあかりは
            硝子戸に指のあとつめたく
            ほの白みゆく山の端は
            みづがねのごとくにしめやかなれども
            まだ旅びとのねむりさめやらねば
            つかれたる電燈のためいきばかりこちたしや。
            あまたるき"にす"のにほひも
            そこはかとなきはまきたばこの煙さへ
            夜汽車にてあれたる舌には佗しきを
            いかばかり人妻は身にひきつめて嘆くらむ。
            まだ山科(やましな)は過ぎずや
            空気まくらの口金をゆるめて
            そつと息をぬいてみる女ごころ
            ふと二人かなしさに身をすりよせ
            しののめちかき汽車の窓より外をながむれば
            ところもしらぬ山里に
            さも白く咲きてゐたるをだまきの花。


                  萩原朔太郎  「純情小曲集」より引用




駅を降りた。伊予大洲駅である。

ここである。4ヶ月前、ここで私は旅を終えた。だからここからはじめる。

駅前のバス停で白衣を身に着けた。


記念すべき一枚目。

この写真をみてひどく驚いたことがある。恥ずかしながら自分の顔である。
いつもは廃人そのものの顔をしているのに、この日だけは少しだけ生気があった。
        





あの時キャブさんと共に入ったオズの湯にもう一度行きたかったが、10時の開店には早かった。
よって、番外霊場の十夜橋 永徳寺へ行くことにした。
ここは弘法大師が野宿をした場所である。あまりの寒さと空腹で一晩が十日にも感じたことからこの名前がついた。よって、橋の下に札所が存在する。
            
後ろのお大師さんの石仏に合わせた格好で撮影。
幾千人ものお遍路さんがこのポーズで写真を撮ったことだろう。

しかし、時代は変わっている。上を大量の車ががんがん通るし、鳩のウンコはいっぱい落ちてるし、水はくさいしで、野宿スポットとしてはあんまりである。
納経所でこんなものを買った。
                   
ねっころがる空海を刻んだペンダントである。
これ以後、結願までこのペンダントは私の同行者となった。


オズの湯で夜汽車の疲れを落とし、さあ、行くで!



って、何これ?



信じられないものが電柱に貼ってある。




俺宛のメッセージが電柱に貼ってあるやんけ!



今回の遍路旅、いきなりドラマティックな展開を見せた。

                                   

                


四国八十八ヶ所お遍路セット(スターターセット)
                          
                      

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