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みんな、ありがとう 普段着お遍路歩きの記 第一部 第4回

                               この時と、この思い出を書いている今をつなぐ数日の間、

                             私は8月7日から18日までの十日間について、記憶を

                             たどり追憶に浸らない日はない。今は、まだ歩き旅の

                             思い出が一生熱いままで続くような気がする。



                             いつか考えなくなる日が来るのだろうか?

                             それがなんだかとてつもなく不安だ。

                            旅が終わって数週間しかたっていない今はまだまだ

                            ホットなのだが、毎日の仕事のストレスや他のいろいろな

                            楽しみに私の脳は支配され、そのうちに他の大量の楽しかっ

                            た平熱レベルの思い出の中の一つに過ぎなくなるのか。

                            だからこそ、やはり、今、文章として残しておきたい。



                            8月30日の私は四国病の真っ最中である。

                            一日に三回はあのときの写真を見る。

                            朝起きてみて、家に帰っては見て、寝る前にもう一度見る。

                            仕事中なのに、いや仕事中だからこそ四国のことを思い出し、

                            ああ、戻りたいと自分の中でつぶやく。

                            歩いてるときに杖を持っていないことに違和感さえ感じる。

                            今はまだまだ、病の絶好調期間だ。そんな中だからこそ、

                            この紀行文が勢いでもってかけるのかもしれない。






                            道は田んぼの横を併走していた。三十メートルほど

                            向こうにはさっきまで通っていた国道が見える。

                            が、この細い遍路道のほうがずっと情緒があって好きだ。



                            そして、歩きながらついに見つけた。


                            電柱の目の高さのところに張られている。

                            思わず心の中で「ジャジャジャジャーン」と鳴り響いた。

                            アホみたいな表現なのだが、

                            本当にあの「運命」の冒頭メロディが心の中でなったのだ。
  
                            「見つけた!これが、あの、有名な・・・・・・・。」












                                        





                            遍路になれた方なら、「何だ、当たり前ではないか」と

                            いわれるかもしれない。

                            だが、パーフェクトに初心者の私には途方もなく素敵な

                            物に見えた。本にも雑誌にも載っていた、あの遍路シール

                            である。それが実際に目の前にある・・・。

                            これから私が迷わないように旅に同行してくれるのだ。

                            へんろみち保存協力会が努力してはってくださり、

                            お遍路さんの道しるべとしてくれているのだ。

                     

                            




                            さらに、あるいた。意識して観察すると迷いそうな分かれ道や、

                            曲がり角には本当に痒いところに手が届くように、シールが

                            張られている。実にありがたい。

                            しばらく行くと遍路道は田んぼのあぜ道になった。



                            また、私の心の中に

             
         「ジャジャジャジャーン」
が鳴った。

                            二番だ。



                            いったい今度は私は何に感動しているのか。

                            お遍路について無知なころ(今でもそうだが)、遍路道は

                            すべて普通の一般道、あるいは山道だと思っていた。

                            ところが、あぜ道やお墓のための道、果ては公道だか

                            他の家の庭だかわからないところも通ると書いてある本を

                            読み、いたく興奮したものだ。実に変化に飛んで劇的な感じが

                            するではないか。時には庭につないでいる犬に吠えられたり

                            するという。

                            吠えられたいなあとまで思っていた。どうしてなのか。

                            他の正当なお遍路さんと同じ経験をし、仲間に入りたいという

                            私の幼い自意識なのである。


                 

                     昔製の石の標柱の手前には、現代製の遍路道の案内。
                     その向こうにあぜ道。ちなみにこの案内もへんろみち保存協力会が建てている。




                              さらに青の匂いが強くなった。これは、しかし・・・

                              本当のあぜ道だ。

                              田んぼの持ち主に悪い気もするぞ・・・。

                              そんなことを考えてるうちに三番霊場光泉寺が見えきた。

                              車遍路とは違う入り口から入るようだ。


この写真の奥のほうに見える森が三番霊場。


                               到着!これなら楽勝、楽勝!まだ昼過ぎですでに三つ目!




                               ん?・・・・・・・・ん?!






        
                               げ?!なんや、これ!そこには
実に不愉快な光景

                               広がっていた。











                                    
  四国八十八ヶ所お遍路セット(スターターセット)

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