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最初はめちゃかっこよく旅立ったのに、

次から次へとむちゃくちゃなことが起きて

結局これはいったいなんだったんだろうという変な旅の話


                                   

人間あきらめると何かが生まれることがあるというが、このときもそうだった。
「荷物や!荷物が重すぎるねん。」


確かにそうだった。テントや寝袋、テーブルなど一個師団を率いる勢いの荷物が車に詰まれており、
それが車の動きを鈍くしているのだろう。


「出そう!」
そうだ、この荷物を全部運び出すのだ。


すでにはだしになっているのは水の中に入っていたため。



車を空にした。




さらに考えた。
「車が水に沈まないように、何かを敷こう。」


ちょうど近くに板が落ちている。
これを車のそばに敷いた。


そしてまた石を並べ始めた。



しかし俺たちは人里はなれたところで

いったい何をしてるんだろう?





やれることはすべてやった。
荷物を出した。
板を敷いた。
石を敷き詰めた。
文字で書くと一瞬だが、これもさらに1時間を要した。








はっきりいってくたくただった。
飯をまったく食わず、水に入った状態で数時間作業しているのだ。




これでだめなら・・・・・・

いやそんなことは考えるまい。





「じゃあ・・・・・・・・



エンジンをかけるで・・・・・・。」


A氏が決心をしたかのような声を出した。



---------------第9幕  ウンコ---------------



ぶろろろろお!
エンジン音があたりに響く!



「押せええええええええ!!!」

ものすごい叫び声!



もうひとつ、音がした。

ぶにゅり


車は板ごとあっさりと沈んだ。

沈んだときの音がこれまたいやだ。
ぶにゅりだなんて・・・・・。


泥がウンコのような音を立てている。

しかしそれ以上に俺たちがウンコだった。
もう汚物のように腐っていた。

-------------第10幕  あきらめ---------------



「もう、いいよな。」
「うん、もういい。」
「俺たちはよくやった。」
「そうや、車ももういいわ・・。」
「いいんか?」
「うん、捨てる。もはやこれまでや。」


俺たちは精魂が尽き果てた。
いくらやってもだめなことがあるのだ。

「今日はここで寝よう。」
「テントを張るのもやめような。」
「もう張る気力もない。このままここで寝よう。」
「明日は夜勤ちゃうの?」
「もう、それもいいわ。仕事もあきらめる。」
「そうやな、携帯の電波が通じるところまで数十キロあるし・・・。」




さらにすべてを捨てる心境になった。


「俺は仕事やめる。」

「おれも。」
「俺もや。」



なんでかしらないが、そんな結論になった。




こうして俺たちは一瞬燃え上がり、そして燃え尽きたけど、また火をおこし
それがだめになったとき、ウンコになり、そしてそのウンコも目の前の川の水に流れるように
すべてをなくす覚悟を決めた。
俺たちの旅はこれで終わった。





最初はめちゃかっこよく旅立ったのに、次から次へとむちゃくちゃなことが起きて

最後にはウンコになった男たちの旅


 完





































































                                                      あ?
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