第31回 メロンのある景色



道はしばらく平坦だった。周囲の景色を楽しむ余裕も生まれる。
目の前に広がるトウモロコシ畑の力強さに心をひかれ、

この不思議な標識にも目を奪われる・・。
一体何を表しているのだろう?黄色の地に線路みたいな記号が書いてある。
      
結局今までこの記号の意味がわからないままだ。ご存知の方、どうぞ教えてください。




国道38号線は「道の駅南ふらの」を起点として、道道465と分離する。
38号線は山の奥に向かう景色が良くなさそうな道であり、465号線はかなやま湖のほとりを走る景色のよさそうな道だ。
無論、景色のよさそうなほうを選ぼうとしていた。

「こんにちは。君はチャリですか?」道の駅のベンチで地図を見ていたら、二人のライダーに話しかけられた。
「あ、そうです。」
「その体格でがんばるねえ。君、大阪の子?」
「あれ?なんでわかったんですか?」・・・「その体格」については聞かなかったことにする。
「なんとなくね。大阪の人のオーラが出てましたから。」
「そうなんですか・・。えっと富良野方面から来られましたよね。僕はこれからそっちへ向かうんですが、この湖沿いの道、景色良いですか?」
「すごくきれいだよ。でもアップダウンがすごいからチャリダーの君には大変かもね。華奢な体してるし。」
「じゃあ、国道を行くことにします。じゃあ、いきますね。あ、えっとお二人とも社会人の方ですよね。」・・・「華奢な体」については聞かなかったことにする。
「いや、学生だよ。じゃあね、気をつけて。」

私のことを3回も「君」と呼んだその人たちは年下だった・・。少し凹む。



それでもお二人の忠告に従って山に近い国道を行くことにする。

うそーん!
すっげえ上りじゃん。しんどいじゃん。さっきの大学生、俺をだましたんだろうか?
それにしてもこの道はチャリがやたらと左右に揺れるなあ。

ゆれる・・・。

ゆれる・・・・・。



がちょ〜ん!


なんともいえない音がした。と思ったら急に足が軽くなった。
そうか、今の音は俺がたくましくなった音に違いない。だから急にペダルが軽くなったのだ。

ぜんぜん俺は華奢じゃないぞ!いつの間にかマッチョなタフガイになっていたのだ!



って、そういう妄想からはすぐにさめた。
背後を振り替えると不愉快極まりない光景が。

     
角度を変えてもう一枚。
     

くくりつけていた荷物が俺から逃げるようにいっせいにばらけていた。
「ああ・・・。」われ知らず声が出る。

早朝のくくり方が悪かったのだろう。
あわてて荷物を路肩に集め、チャリにくくりつける。
ばらばらになった荷物がなんだか旅の終わりを告げている気がして悲しかった。

  −お前の旅は永遠ではない。いつかは現実に戻るのだ。
    お前に待っているのは現実しかないのだ−

一つひとつのバッグがそういっている気がした。

上り坂が終わった瞬間に、憧れの富良野市が始まった。
   



平地に降り立つとまた秋が見えた。
すっかり刈り取られた作物がなぜか丸められていた。
この景色は北海道でよく見た記憶がある。

            


この丸い物体以上にもっとよく見たものがある。
この白い花は私にとって北海道を代表する存在となった。
それくらい常に見ていた。行く先々でこの花に見守られていた気がする。
大阪にも咲いているのだろうか?


さっき見た藁のロールよりももっと正体不明物物が見えてきた。
        
これはなんだろう?

この富良野でもっとも見たものといえば、これにとどめをさす。

「スイカ メロン」という文字を数十分の間にいくつも見た。
メロンが富良野の名産のようだ。食いたいけど、毎日セイコーマートのおにぎりを食している身には、緑のダイヤモンドのように高価なものであった。




と思ったら、なぜか私はメロンを食っている。
しかもでかい塊だ。
   

この事実の真相についてはまた次回。

                                          つづく


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