第28回 霧多布から厚岸をぬけ釧路へ

久々に背景が青空になった。
俺はいま国道44号線を走っている。景色はさっぱりだ。しかし昨日の海岸沿いの道など絶対に行くか。

                

ようやく霧から開放された。この道を行くと釧路に到着するはずだ。




日本を旅していて思うのは、大阪の飯のうまさである。特に粉物はうまい。
が、やはり海産物では負ける。北海道の海産物のうまさに、大阪が勝つなんて不可能である。大阪湾で取れた魚を食べるなんてどうしても考えられない。
だから俺は釧路へ向かう。そこに何が待っているのか?


途中不思議な光景を見た。空はこんなに晴れているのに、山に霧というか雲がまとわりついているのだ。
                         


どこまでいっても同じ景色だ。昨夜のような状態だとくだらぬ想念が浮かんでくるが、晴天の昼間だと楽しいことが浮かぶ。丼にはやはりサケはかかせない。もちろんウニもイクラもだ。何よりもっとも好きな海産物、カニ味噌。でもそれだといくらになるんだろう?

気づけばもう昼だ。道中には食堂も何もなかった。あるのはコンビニのみ。そこで食材を買っていると、巨大な荷物を積んだチャリダーにお会いした。
言うまでもなく右のかっこいいほうがKさん。
厚岸のコンビニにて。

埼玉県にお住まいのKさんは日本一周中だという。服装もかっこいいし、チャリもかっこいい。
俺もこんなチャリダーっぽい服にすりゃよかったかな?普通のフリースに首からタオル巻いてるなんて・・。
私とは反対周りに北海道を走っておられるというKさんとはもちろん以後会うことはないだろうけど
お互いの健闘を祈ってお別れをした。




景色が変わらないのは嫌である。きれいなのは良いけどすぐに飽きるからだ。
とてもきれいですね○

ぎーこ、ぎーこ・・・。

とても美しいですね○

ぎーこ、ぎーこ・・・。
2時間が経過。

とてもすごいですね○

ぎ〜、ぎ〜・・・・・・、

あほー

全部一緒じゃねえか!
この延々とまっすぐ進む道はほとんど嫌がらせである。


おまけに夕方になってしまったじゃねえか。
あと20キロもこの「よくできた」道が続くのか



釧路の町は猛烈な都会だった。たぶん俺の住んでる町よりでかい。
そして今晩飛び込んだライダーハウスは俺んちより・・・・・・であった。
宿のおばちゃんはとっても親切で、俺のくそ思い荷物をもって部屋に案内してくれた。
この通路を通って。右側に一杯積まれているのはなんだろう?

「ごめんね、今日、団体さんが入って部屋がないの。ここで我慢してね。」
そういって通された隙間空間。
壁には模造紙が貼ってあるがその隙間からはカビ。
床はなぜか新聞紙が敷いてあった。ここに4人が詰め込まれていた。みんなライダーのようだ。
布団などもちろんない。寝袋利用に決まっている。
「こんな場所で申し訳ないから宿泊代は800円で良いわ。」おばちゃんがさっき渡したお金の中から200円を返してくれた。

大変失礼ながら、私がこれまで旅してきたどの宿よりも美しさとは反対に位置する部屋だった。
それを思うと、なぜか俺は安らぎを感じた。この部屋で寝られることを心も体も喜んでいた。
汚いほうが旅人らしいとかという一元的な感覚ではない。こんな風にしても人間は寝られるし、ここにたくさんの旅人がやってくるという人間的なものを感じたのだ。

ここで驚きの再会をすることになる。

                                                         


           

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