第14回 カムイワッカの湯にはいるぞ
時々、がさがさという音で目が覚めた。テントから顔を出してみたが、何も誰もいなかった。 |
旅5日目の朝食は、この北海道旅のすべての食事の中でもっとも高価なものとなった。
僕もあなたも大好きなもの。
北海道といえばやっぱりこれ!
どうしても食べたくなるこれ!
そう、ウニ丼である。キャンプ場を下ったところに、ウトロ漁港婦人部食堂というのがあり、
そこのウニ丼が絶品だそうな。
高いのが当たり前のこのメニューだが、やっぱり食べることにする。
節約するためにはるばる北海道を訪れているわけではないのだ。
ということで・・・・・・
(↑写真にカーソルをあててね)
ウニ丼様!
お値段は2300円様である。ただ実は・・思ったより小さかったのだ。
「丼」というよりは「ウニ茶碗」という感じである。
旅をするときには、やっぱり晴れたほうがいい。
空の青さが何より心を高揚させる。
早朝の今もそうだ。
海岸沿いに走る私の目にも、青が映っている。
漁船がいくつも見えた。みんな早朝から仕事をしているのだ。
猟師さんもやはり晴れのほうが、漁をしやすいのかな?
知床岬を北上する。目指すは温泉。
もちろんここまで着たからには普通の温泉ではない。滝が温泉になっているという伝説の
カムイワッカの湯である。
以前、読んだ本で得た知識からどうしても入りたかったのだ。
これがその本。
とっぴーの日本縦断騒動記
中村知靖著
私も必死でチャリをこぎ、カムイワッカの湯を目指した。
日本有数の秘湯が俺を待っている。
そして俺はこんなところにいた。
バスの中・・。
なんと憧れの温泉は有名になりすぎ、
みんながジャンジャカ車で行くようになったもんだから、
あなた、シャトルバスのみでの接近となったそうなのだ。
チャリは環境にはやさしいのだといいたかったが、条例に違反することもできず泣く泣くチャリをおいた。
でもいいのだ。着いたらこっちのもの、俺はこの疲れた体をざっぷーんとお湯に沈めるのだ。
バスを降りた俺を今度はこれが待っていた。
立派になったものだ。
係員も待っていた。
「カムイワッカの湯は現在がけ崩れの恐れがあるために、手前までしかいけませんよ。」
見ると、河に沿って転々と係員がスタンバイしていて、
観光客を見張っていた・・。
完敗。
無理やり足湯をする。冷たかった。
いつか倒壊の危険性がなくなったときに再訪すると、窓外のキタキツネに誓い、
元の場所に戻った。
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