第3回 屈斜路湖を見下ろして


どうも最近このホームページの更新頻度が少なくなっている。他人事みたいな書き方だが。
今年2010年の数年前からブログとmixiが全盛となり、その分なんとなくネットの交流の首座が移っているのを
私も感じているからだ。
とはいえ、こうやって細々と連載をする方式のホームページが希少な分、小さいなりにやっていこうかとは思う。

ということで夏の北海道のチャリ旅の続きである。




今私は屈斜路湖に向かっているはずなのに、国道243号線は次第に上り始めた。
湖は山の上にあるのだろうか。


本州、特に大阪にくらべて道は広く、車は少ない。たまに通る車も優しく進んでいる。
つまりチャリ旅にとっては実にすばらしい条件だ。



この大地は数十年の昔からこうであったに違いない。

すなわち旅人の手に携帯がなく、道にコンビニがなく、
ユースにはミーティングがあった時代から、
こうして二輪車を受け入れ続けてきたのろう。

そして私は数万番目にその列に並ばせていただいている。




偉大な北海道の道は旅人にやさしくて厳しい。

走りやすい道だけれども、傾斜はどんどん険しくなっていく。
かつての旅人たちもみんなこの道を登るときに悲鳴をあげたのだろうか?
「ふんぎゃ、しんど!」私はもちろんあげていた。


しょうがないから無理やり笑顔で写真。二日目で実は疲れきっている。






あなたはチャリ旅で坂を上るとき、
 すぐに降りて押してしまう派
    だろうか。それとも
 なんとか降りずにがんばってこぐ派
    だろうか。

私はできることならがんばってこぐ派でありたいが、体力もなく根性もないのですぐに降りてしまう。
そして今も押していた。
後ろからTさんが来た。
私よりずっと重い荷物を持っているが、たぶん彼はがんばってこぐ派なのだろう。
ギアを最小にして上ってこられた。
「お疲れ様です。天気いいですね。」
「そうっすね。あ、僕もうばててますから抜いてもらっていいですよ。」
「了解、また大阪で。」
そういって彼は見る見るうちに見えなくなった。また大阪で、か。これで二度同じ挨拶をして別れたな。


後ろから巨大な観光バスが私を追い抜いていった。


Tさんも観光バスもとっくについたと思えた時間にようやく私も頂上へ来た。
本当はあの丘の向こうにすばらしい景色があるのだろうが、
ここはエネルギーを充填せねばならない。でないとひっくり返りそう・・。

道の駅の食堂にて私は迷った。

普通のラーメンなら600円也なのだが、「カニラーメン」となると1200円様もしてしまう。
カニラーメンってめちゃ食いたいやんけ。でもあんた、1200円様様って・・・。
どうすべきか。
その時天の声が聴こえた。
「今のあなたは旅人ですよ。」

おお、そうじゃ、俺は旅人なのだ。
結論は出た。

  
    食べたいものを俺は食べた。
考えれば地元で1200円のラーメンを食べることなど、ない、絶対にない。
だからこそ今食べるのだ。それこそが旅の面白さ。


食後、道の駅の背後にある丘を登った。

おお、なんという光景。あまりに美しく神々しい。あの苦難の道はこの光景のためにあったのなら、いくらでも上って見せよう、そう思える湖の姿がそこにあった。

よし写真を撮るぞ。






とるぞ・・・。






と、撮れない!







なぜならそこに




         わははは わはははは はははは〜  
    がいるからだ。




さっきのバスの団体様なのだろう。

その人たちが手すりを占領して順番に写真をお撮りになっていらっしゃる。
何がおかしいのか、自分たちで写真をとり合ってはお笑いになっていらっしゃる。
できればどいてほしい、けど順番だからどいてとは言えず、じっとけなげに待ち続けた。

「見せて見せて。」大騒ぎだ。

あのお、

撮った写真の確認は

撮影スポット以外でやってもらえませんか
、とはいえず


さらにけなげに待っているうちに体が冷えてきた。
8月なのに風が10月くらいの温度で吹いている。

「そろそろ降りようか。」
「そうやなあ、ここまでかなり遠かったもんな。20分もバスに乗ってしんどかったわ。」
やっぱりわははははさんたちは、関西弁であった。そして20分バスに乗ってしんどかったそうな。
私はあなたたちを20分も待っているっす。




わははは、がいなくなった屈斜路湖でようやく私は写真を撮った。



のぼった甲斐があった。


そんな「甲斐」のあるのぼりを今度は降りなければいけない。
それってもったいないなあ。


チャリで下り始めた俺の前に、下った「甲斐」のある存在が待っていた。

                                    

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