第2回 美幌からその先へ


俺の旅が始まった!といいながらも、まずはこれを組み立てねばならない。
もちろん十分練習してきたから、あっという間に完成させることができる。
        
            ばらばらにされた、ピースケの愛車

自転車旅人の私はすういすういと軽やかな手つきで組み立て始めた。


すうい、す・・・・・!?


あれ?このスプリングはどこのだろう?
まあいいや、とりあえずはめてみよう。

あれ?なんかタイヤがぐらぐらする。
でも走ればいいのだ。


よし、完成!



ふと見ると、ネジがあまっていた。

しかも3つもだ。






見なかったことにする・・・。






とにかく完成だ!

私は軽やかに走り始めた。はい、宿にとうちゃーく!



・・・・・すいません。初日からヘタレなことをやってしまいました。




いや、これはたまたま予約していたユースが、たまたま宅配業者のそばにあったからに過ぎない。
決して私が初日は楽をしたかったからでは、決して、けっしてございませぬ。


            


そのたまたま近かった美幌ユースホステルには、もう一人、チャリダーのTさんがきていた。

話をしていくうちにどうも近いものを感じる。
結局Tさんも大阪人ということがわかると、
「そのシャツはどこで買いはったんですか?」
「天王寺ですよ。」
といった遙か北の国で、なぜかこてこての大阪弁と大阪の地名の会話を続けることになった。

「それにしても寒いっすね?」
「やっぱり?僕もや。」
「けどなんぼ北海道が寒いゆうたかて、今は7月やで。」


そういいながら外へ出てみた。
「うぎゃお!寒寒寒!!!」 感覚的に11月の大阪位の寒さなのだ。

「ここにヒーターがありまっせ。」
「おお、つけましょ、つけましょ。7月にヒーターつけるなんてめちゃネタやん。」
「ほんまや、友達に自慢しよ。」
二人はヒーターをつけると、早速誰かにメールをし始めた。
そばでは、そのヒーターのゴウゴウという音が心地よく響いている。
二人はあまりに寒さに毛布に包まってその夜をすごした。

朝起きていると凍死しているかもしれない。




無事に朝を迎えた。しかしこの調子だと俺は目的を達成する前に、寒さにやられるかもしれない。
目的?
そうだ、この北海道旅の目的をここで全国の女子高生の皆さんに発表する。

1 美しい摩周湖、屈斜路湖、大自然に満ち溢れた知床岬、開放的な開陽台を晴天の下、満喫する。

2 できるだけチャリをこぎ続ける。坂道をものともせず!

3 たくさんの旅仲間、特にチャリダーに会う。

さて、いくつ達成できるだろうか?
決まっている。3つだ。

空は抜けるように青かった。
ユースの前で大阪のTさんとお別れする。彼は一本吸ってから出発するといった。

         二人のチャリダーのお別れの写真 

いまさら言うまでもないのだが、旅先での出会いはすべてが貴重な存在である。
同じ大阪人のTさんは、初対面だけどずっと前から知り合いだったような近さを感じた。
こんな出会いがあるからこそ、旅は面白く色づくのだ。
北海道旅の初日で出会ったTさんのことを忘れまい。
いや忘れようと思っても家が近いからすぐに会えるに違いない。

だから別れの挨拶は「さようなら」ではなく「また大阪で呑みましょう。」だった。



順調にこぎ始めた、のならかっこいいのだがめちゃくちゃにチャリがこぎにくい。
荷物が重すぎるのだろうか?それとも昨日の組み立てが??

しばらくは美幌の街中を走っていたが、


すぐに北の大地らしい田舎道へと変わる。

これである。北の国を訪れる旅人が見たい光景。
どこまでも続く一本道、広がるジャガイモ、トウモロコシ畑。
そういった内地にはない景色を求めて遙か昔から旅の先輩はここを訪れたのだろう。
私もまた北海道にその足跡、いや車輪跡をつけて進んだ。


こんな抜けるような青空いつまでも続いてほしいものだ。
もちろんそんな願いはさっさと裏切られることになる。
それにしても、このチャリ、進まないなあ・・・・・。
                                        つづく

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